ダニを通さないカバー(高密度繊維カバー)は、アレルギー疾患に有効か?
■ 日常診療のなかでは、ダニを通さないカバー(高密度繊維カバー)はおすすめすることがありますし、実際にアトピー性皮膚炎や気管支喘息の治療に有効という研究結果もあります。
■ しかし、高密度繊維カバーは全員に有効なわけではありません。
■ 環境整備に関しては、最近あたらしい研究結果も多数あり、有効な対象が限られることもわかってきているのです。
■ 最近のメタアナリシスをご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
ダニ不透過性マットレスカバーのアレルギー疾患に対する一次予防試験7件(3,461人)と三次予防試験17件(1,671人)の有効性を評価したメタアナリシスを実施したところ、
✅ アレルギー疾患の一次予防(発症予防)に対するダニ不透過性カバーの効果のオッズ比は、チリダニ感作において0.97(95%信頼区間[CI]0.62~1.51)、喘鳴において0.92(95%信頼区間0.81~1.05)、喘息において0.85(95% CI 0.70~1.02)、アレルギー性鼻炎において1.03(95% CI 0.90~1.19)、アレルギー性皮膚炎において1.05(95% CI 0.84~1.32)だった(効果なし)。
✅ アレルギー疾患の三次予防(治療)の標準化平均差は、ピークフローに対しては-0.03(95%信頼区間-0.15~0.09)、喘息症状スコアに対しては-0.06(95%信頼区間-0.32~0.20)、鼻症状スコアに対しては-0.39(95%信頼区間-0.88~0.11)だった(効果なし)。
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