『鼻洗浄が小児のかぜに有効かどうか』は、十分なメタアナリシスでの結論がまだ出しにくい。
■ 小児のかぜに鼻洗浄(鼻洗い・鼻うがい)が有用かどうかのコクランシステマティックレビューは、最新版が2015年のものです(Cochrane Database Syst Rev. 2015;(4):CD006821. Published 2015 Apr 20. doi:10.1002/14651858.CD006821.pub3)。
■ KID先生がブログで詳細に解説されているので、コクランの方はそちらで読んでいただくのがよいでしょう。
■ KID先生の述べられているように、その時点では小児のRCTが少なく、評価が難しいという結果でした。
■ その後のメタアナリシスがどうなのかを確認すると、今年のものがPaediatr Respir Revに報告されていましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
生理食塩水による鼻腔洗浄(SNI)が、3ヵ月以上の乳児と12歳以下の小児の上気道感染症に有効化を評価したランダム化対照試験4件に対するメタアナリシスを実施したところ、
✅ 生理食塩水による鼻腔洗浄は、鼻症状(SMD = -0.29 [-0.45; -0.13])に対し有用性が示されたが、呼吸器症状(SMD = -0.19 [-0.70; 1.08])や健康状態(SMD = -0.30 [-0.68; 0.07])の有意な改善は認められなかった。
✅ 抗菌薬の使用を制限したり、長期使用により急性鼻副鼻腔炎やその合併症の発生率が減少した。
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