農場での環境曝露はアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減するが、軽微な曝露ではリスクを低減しない

『衛生仮説』は、アレルギー疾患の発症リスクを説明する仮説のひとつだが、簡単にまとめることは難しい。

■ 『衛生仮説』に関しては、これまでのいくつかの報告をご紹介してきましたし、以前、Yahoo個人でもまとめています。

清潔だとアレルギーになりやすい?「インハンド」に登場の「衛生仮説」とは

 

■ その記事では、「動物園にいったほうが、アレルギーになりにくいんですよね?」という質問への答えは、

「エンドトキシンへさらされて喘息を予防する場合、“慢性的に”“少量”で行う必要なので、“たまに”動物園に行った程度では有効性はまずないでしょう」になるでしょう。

では、「不衛生な環境ではアレルギーの発症を減らすなら、アレルギーを予防する目的で“掃除をしない”ほうがいいですか?」という質問への答えはどうなるでしょう。

その質問には「不衛生な環境とはエンドトキシンが多い環境をいいます。ですので、ホコリやダニが多い環境と同じ意味ではありません。ですので“掃除をしない”がアレルギーを減らすとは言えません」

 

とまとめました。

 

■ すなわち、ちょっと動物園に行った程度では有効ではないだろうと思われます。

■ 最近、米国のウィスコンシンで行われた出生コホート研究で、衛生仮説に関する興味深い結果が報告されていました。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

WISC出生コホート研究に登録された農家111家族と非農家129家族を対象に、環境状況と生後24ヶ月までのアトピー性皮膚炎の発症リスクを評価したところ、

 ✅ 農場での曝露が多様で、より強く曝露された群(クラスAおよびB)はアトピー性皮膚炎の発症率が低下したが、農場曝露の程度が低くなる(クラスC)と、農場で育っていない児とアトピー性皮膚炎の発症リスクはかわらなくなった。

 

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