Baked milkによる経口免疫療法は有効か?:ランダム化比較試験

Baked milk(焼き固めた牛乳)による経口免疫療法は有効か?

■ 多くの牛乳アレルギーは自然寛解が望めるものの、キャリーオーバーする牛乳アレルギーは大きな問題として立ちはだかっています。

■ 個人的には、『Baked milk(焼き固めた牛乳)』は、必要最小限の除去の範疇としては重要と考えていますが、経口免疫療法の中心には据えていません。

■ もちろん、Baked milkがいけない、というわけではなく限界があること、そして牛乳そのものが飲めるかどうかを判定できないなどの問題点があると考えているからです。

 

加工品で経口免疫療法してもいいですか?(note)

https://note.com/ped_allergy/n/n1e933021a850

 

■ 一方で、最近のJACIにBaked milkをもちいた免疫療法の報告があり、『有効性がかなりあった』という結果でした。

 

※経口免疫療法は、『経験のある専門医』からの指導が必要で、患者さんの判断で実施することは勧められていません。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

3-18歳の牛乳アレルギー患者30人をBaked milk経口免疫療法群とプラセボ群にランダム化し、12ヶ月間の有効性などを比較したところ、

 ✅ Baked milkによる経口免疫療法群15人中11人(73%)が主要エンドポイントに達し、12ヶ月の経口免疫療法後に4044mgの焼きミルクタンパク質を許容したのに対し、プラセボ群では15人中0人(0%)だった。

 ✅ 両群とも、試験開始からの牛乳特異的IgEおよびβラクトグロブリン特異的IgEの有意な変化は認められなかった。

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