JAK阻害内服薬は、血栓のリスクを増やすのか?
■ 内服JAK阻害薬は、アトピー性皮膚炎の治療に応用され、広がってきています。
■ 一方で、日本ではアトピー性皮膚炎には使用されていませんが、内服JAK阻害薬であるトファシチニブ(商品名ゼルヤンツ)に対し、重大な心血管イベントおよびがん発症のリスクが高いことが示されたとしてFDAから警告が発出されています。
■ その懸念材料となる『静脈血栓症』に関しては、リスクがあるという報告とリスクは低いとする報告が混在します。
■ そこで、最近JAMA Dermatologyに発表されたメタアナリシスを共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
アトピー性皮膚炎と静脈血栓塞栓症との関連を検討したコホート研究、JAK阻害剤を投与されたアトピー性皮膚炎患者における静脈血栓塞栓症を報告したランダム化試験を対象に、リスクを評価したところ、
✅ アトピー性皮膚炎と静脈血栓塞栓症との有意な関連は認められなかった(HR 0.95; 95%CI 0.62-1.45; 静脈血栓塞栓症発症率 0.23イベント/100人年)。