保湿剤によるアトピー性皮膚炎の発症予防に関して、否定的な報告が増えている。
■ アトピー性皮膚炎の発症予防に関して、個人的には保湿剤の定期塗布は有効性があると考えています。
■ しかし、最近、大規模ランダム化比較試験でその効果を疑問視する報告が増えています。
■ 一方で、有効性がみとめられなかったという研究結果に対し、問題点が指摘されています。
■ そして、それらの条件を一部改善させて、やはりアトピー性皮膚炎の発症リスクを低減したという研究結果(STOP AD試験)がAllergy誌に報告されましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
生後4日のハイリスク乳児321人を、生後8週間まで保湿剤を塗布する群と通常ケア群にランダム化し、1歳までのアトピー性皮膚炎の発症リスクを比較したところ、
✅ 生後12ヵ月時のアトピー性皮膚炎の累積発症率は、介入群32.8% vs 対照群46.4% [ p = 0.036; 相対リスク0.707(95%CI 0.516~0.965)]だった。