小児の便秘に対する薬物治療に対するレビュー。
■ 便秘は、生活の質を下げますし、場合によっては成長も阻害する可能性があります。
■ ですので、うまく治療をしていく必要があります。
■ 便秘の治療はweb記事でも解説しましたが、便秘の治療の最初は、まずは『便の栓を抜く』ことから始まります。
■ つまり、多くの場合は、『浣腸』を行うことになるでしょう。
■ そして、便を柔らかくする薬(浸透圧性下剤)、腸を刺激して動かす薬(刺激性下剤)を組み合わせて治療を行います。
■ そして、その薬剤の有効性を考えながら組み合わせるわけですが、最近のレビューが参考になるのではと思います。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
0~18歳の便秘患児を対象に、浸透圧性下剤もしくは刺激性下剤とプラセボまたはその他の介入とを比較したランダム化比較試験18件(1643人)(9件はバイアスリスクが高いと評価)に対するシステマティックレビューを実施したところ、
✅ ポリエチレングリコール(PEG=いわゆるモビコール)とプラセボを比較した2研究(101人)のメタアナリシスでは、PEGの方が週あたりの便回数が有意に増加した(平均差[MD] 2.61/週; 95%CI 1.15~4.08)。
✅ PEGとラクツロースを比較した4研究(338人)のメタアナリシスでは、PEGの方が週あたりの便回数が有意に多かった(MD 0.95 便回数/週, 95%CI 0.46~1.44)。
✅ PEGとマグネシア乳(≒酸化マグネシウム)を比較して、PEGの方が1週間あたりの便回数が有意に多かった(MD 0.69 便回数/週; 95%CI 0.48~0.89)。
✅ 2研究(287人)のメタアナリシスでは、流動パラフィン(ミネラルオイル)とラクツロースを比較したところ、週あたりの便回数で流動パラフィンの方が統計学的に有意に改善した(MD 4.94便回数/週; 95%CI 4.28~5.61)
※流動パラフィンは日本ではほとんど使われていません。
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