パルミコート単独とシムビコートの安全性評価比較試験: 大規模ランダム化比較試験

Peters SP, et al. Serious Asthma Events with Budesonide plus Formoterol vs. Budesonide Alone. N Engl J Med 2016; 375:850-60.

LABAの安全性を確認した試験が続けざまに発表されています。

■ 長時間作動性β刺激薬(LABA)が超過死亡を増加させるかもしれないという報告がなされた後、アドエア(フルタイド+サルメテロール)に関しては、成人でも小児でも、大規模ランダム化比較試験で重篤な喘息関連イベントは増やさないことが示されました

■ では、シムビコートではどうでしょうか。

 

PECO
P: 12歳以上の喘息患者11693例
E: ブデソニド/ホルモテロール併用群(BUD/FM併用群;シムビコート) 5847例
C: ブデソニド群(BUD単独群;パルミコート) 5846例
O: 26週までの最初の喘息増悪  重大な喘息関連のイベント(死亡、気管内挿管または入院)

 

結果

■ 重大な喘息関連イベントはBUD/FM併用群43例、BUD単独群40例で認められた。

ハザード比1.07( 95%信頼区間[CI]0.70~1.65)であり、BUD/FM併用群はBUD単独群に比較して非劣性であることが示された。

■ 2例の喘息関連死亡がBUD/FM併用群で認められ、1例は挿管管理を要した。 喘息増悪リスクは、BUD/FM併用群が、BUD単独群に比較して16.5%低かった(ハザード比、0.84; 95%CI、0.74~0.94; P=0.002)。

 

コメント

■ 長時間作動性β刺激薬(LABA)の併用は、重大な喘息関連イベントは増やさないという結果にまとめられ、先行研究である、アドエアの大規模比較試験とほぼ同じ結果と考えられます。

 

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