エアロアレルゲンに感作された成人の喘息症状は10年後も続く可能性が高い: コホート研究

2017年6月4日

Garcia-Larsen V, et al. Changes in symptoms of asthma and rhinitis by sensitization status over ten years in a cohort of young Chilean adults. BMC Pulm Med 2016; 16:116.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27503476

 


以前、小児に関するダニ感作とその後の喘息の持続に関しての報告をUPさせていただきました。

今回は成人に関しての報告を見つけたのでご紹介します。


 

P: Limache (Chile) Cohort studyに参加した、チリ中部に在住の22-28歳の参加者 1193人

E: 2001年に気管支過敏性(BHR)とアレルゲン8種(ヤケヒョウヒダニ、ネコ毛、イヌ毛、アルテルナリア、ゴキブリ、花粉混合物、雑草・低木混合物、樹木混合物)による皮膚プリックテスト(SPT)を評価

C: –

O: 10年後の喘息症状に影響するか

 

結果

ベースライン(2001年)に、少なくとも4分の1の参加者は1種類のアレルゲンに感作されており、10年後(2011年)にアンケート調査に参加した772名が解析対象となった。
喘鳴有症率の1年ごとの変化は、-0.37%(95%CI-0.71 to 0.02%; p = 0.067)であり、アレルギー性鼻炎(自己申告)は、直近12ヵ月の変化が1年にごとに0.83%(95%CI 0.49 to 1.17%; p < 0.001)増加した。

ベースラインでのネコ毛(OR 1.76; CI 1.01~3.05)、ゴキブリ(OR 2.09; 1.13~3.86)、イネ科雑草・花粉の混合物(OR1.78; 95%CI 1.08~2.92)、雑草(OR 1.77; 95%CI 1.01~3.12)いずれかの感作されている参加者は、10年後の直近12ヶ月の喘鳴を、有意に発症していることが示唆された。

 

コメント

成人喘息に関して、10年間での喘息症状は概ね安定(もしくは僅かな減少)と言えますが、一方で鼻炎は大きく増加していることになります。そして、少なくとも1つのアレルゲンに対して感作されることは、喘息と鼻炎が持続する危険因子であるとまとめられます。

以前、小児に関して、ダニの早期感作が持続した喘息症状の強い予測因子になることをUPしました。

一方で、1歳未満からのダニの早期免疫寛容誘導は喘息の予防ができなかったことも報告されています。

全くもってややこしい事態ですが、感作は喘息の予後の危険因子になることは明らかで、でも免疫療法で発症予防は証明できていないと理解しています。