妊娠中からの魚油摂取は、こどもの神経発達を良くするかもしれない

Ostadrahimi A, et al. The effect of perinatal fish oil supplementation on neurodevelopment and growth of infants: a randomized controlled trial. Eur J Nutr 2017.[Epub ahead of print]

 魚もしくは魚油の利益。

■ 魚もしくは魚油のアレルギー予防もしくは治療効果に関しては、これまでいくつもご紹介してきました。

■ 今回は、妊娠中からの魚油摂取が神経発達を改善するかもしれないという研究結果をご紹介いたします。

 

 

 妊娠20週から出産後30日まで、魚油を摂取。生後4-6ヶ月の神経発達を確認した。

イントロダクション

■ 長鎖高度不飽和脂肪酸(脳で最も多い脂肪酸)は、脳と網膜の成長と発達のために必須である。

 

目的

■ 4~6ヵ月児の成長と発達(プライマリ・アウトカム)において、魚油摂取の効果を評価すること。

 

方法

■ イラン・タブリーズの医療機関で三重盲検無作為化制御試験が実施された。

■ 参加者は18-35歳の150人の妊婦であり、二群にランダム化された。

妊娠20週から分娩30日後まで、一方は、魚油(ドコサヘキサエン酸120mg+エイコサペンタエン酸180mg含有)を毎日摂取し、もう一方はプラセボを摂取した

■ プライマリアウトカムは、乳児の神経発達であり、生後4ヶ月・6ヶ月に年齢段階的アンケート(ages and stages questionnaire;ASQ)を使用して評価された。

■ 成長は、体重、身長、頭囲を使用して評価された。

■ 参加者、介護者、評価者は盲検化された。

 

結果

■ プラセボ群の1人の女性は、持続性の強い嘔気のため、介入が中断された。

■ 魚油摂取群の生後4-6ヶ月時全75人と、プラセボ群4ヶ月時73人・6ヵ月時71人が、分析された。

■ 4ヶ月と6ヵ月の終わりの神経発達スコアの平均は、各ASQ領域のプラセボ群より魚油摂取群で高かったが、統計的な有意差は4ヵ月時のコミュニケーション領域のみで観察された(補正平均差2.63; 95%信頼区間0.36-4.89)

■ 4ヶ月時と6ヵ月時において、2群間の体重、身長・頭囲に有意差は認めなかった(P≧0.05)。

 

結論

周産期の魚油摂取は、4ヵ月時のコミュニケーション領域の神経発達に有益である。

 

結局、何がわかった?

 ✅母が妊娠20週から魚油を摂取すると、こどもの4か月時点のコミュニケーション能力が高くなった。

 

 

 魚を積極的に食べたほうがよいという指導には活かせるかも。

■ 有意差はでていますし、全体の神経発達は良かったといえそうですが、有意差があったのはコミュニケーション分野のみでした。

少なくとも「栄養が偏らないように」という指示や、「魚を積極的に食べたほうが良さそうですよ」と指導するのはいいようです。

 

今日のまとめ!

 ✅こどもの神経発達を改善させることを期待して、母に魚摂取を指導するのはいいかもしれない。

 

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