乳幼児期の喘鳴が年長するまで持続することを予測可能か?

持続性喘息へ移行することを予測する「Asthma Predictive Index(喘息予測インデックス)」は、必ずしも異なる集団で同じパフォーマンスを発揮しない。

■ 乳幼児期の喘鳴は必ずしも持続しないのですが、年齢が長じるまで持続した場合は逆に改善しにくいことがわかっています。

■ 乳幼児期の喘鳴が持続するかどうかを示した「Asthma Predictive Index(喘息予測インデックス)」は簡便でもあり世界的に利用されていますし、私も参考にしながら診療にあたっています。

 

喘息予測インデックス
大基準
■親の喘息
■アトピー性皮膚炎

小基準
□アレルギー性鼻炎
□感冒時以外の喘鳴
□好酸球増多(4%)

大項目 1 以上   +繰り返す喘鳴    : 76%
小項目 2 以上   +少なくとも 1 度の喘鳴: 59%

 

■ ただ、異なる集団では感度や特異度が異なりパフォーマンスがさがることもわかっており、なかなか額面通りに受け取るのも難しい場合もあります。

■ なお、両親の喘息が子どもの喘息発症リスクを上げることは、言ってみれば糖尿病を発症しやすい家系があるというのと同義です。親御さんが喘息だからお子さんが喘息を発症したといいたいわけではなく、だからこそ皮膚のケアを積極的におこない禁煙をすすめたり、鼻炎を治療しましょうという話でもあります。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

喘鳴を反復する年少児の喘鳴持続の予測因子を確認した研究を検索し、関連する因子を検討したところ、

 ✅ 親の喘息(特に母親)、親のアレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、持続性喘鳴、感冒を伴わない喘鳴、運動誘発性喘鳴、重症の喘鳴エピソード、アレルゲン感作(特に多数の感作)、好酸球(血液または鼻汁中のECP)、呼気一酸化窒素は、学童期期を通して喘鳴が持続することを予測する危険因子だった。

 

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