ビラスチン(ビラノア)を長期使用した場合の有効性と副作用は?

新規の抗ヒスタミン薬のひとつ、ビラノア。

■ デスロラタジン(デザレックス)と共に、最近認可が降りたビラスチン(ビラノア)。

■ 空腹時に内服する必要がありますが、副作用(眠気)などが少なく、効果が高いようです。違いは児島先生の解説をみていただくとわかりやすいです。

■ 今回は、ビラノアの効果に関する、本邦からの報告。薬の宣伝のような記事は、やや避けているのですが、Twitterではいいねとリツイートが多めでしたから興味のあるかたが多いんだろうと思い、ご紹介いたします。

 

 

Yagami A, et al. One‐year safety and efficacy study of bilastine treatment in Japanese patients with chronic spontaneous urticaria or pruritus associated with skin diseases. The Journal of dermatology 2017; 44:375-85.

慢性じんましんなどの皮膚掻痒に対し、ビラノアを投与し、プラセボとの違いを1年間という長期で検討した。

イントロダクション

■ 世界中の臨床現場で、多くの第2世代非鎮静抗ヒスタミン薬が使用されている。

■ しかし、高レベルのEBMにもとづいて長期的な安全性および有効性が証明されているとは言えない。

 

目的

■ そこで、慢性特発性蕁麻疹(chronic spontaneous urticaria;CSU)または皮膚疾患に関連した掻痒患者に対する新規非鎮静H1-抗ヒスタミン薬であるビラスチンの長期安全性および有効性を評価するために、オープンラベル、多施設第III相試験を実施した(登録番号JapicCTI-142528)。

 

方法

■ 18〜74歳の患者は、ビラスチン20mgを1日1回、52週間投与され、有害事象(AE)、ビラスチン関連AE、検査結果、バイタルサインに基づき、安全性および忍容性を評価した。

■ 有効性は、発疹スコア、かゆみスコア、全体的な改善、QOLに基づいて評価された。

■ 188人の患者が登録され、122人(61.6%)が52週間の治療期間を完了した。

 

結果

52週間の治療期間中、AEは64.5%であり、患者の2.5%ではビラスチン関連のAEと報告し、AEは全て、軽症から中等症だった

■ 神経系に関連したAEは、頭痛7例(3.6%)を含む10例(5.1%)で発生した。

■ これらの患者のうち、2人(1.0%)で報告された眠気は、ビラスチンに関連していた。

有効を確認した変数(事項)はすべて、ビラスチンによる治療中に改善された。

論文から引用。ビラノアの効果2周めから明らかに改善している。

 

論文から引用。特に慢性じんましんに対する効果が高い。

 

結論

ビラスチン20mgを1日1回52週間の長期投与は、日本人のCSUや皮膚疾患に関連する掻痒治療において安全で十分に許容されると結論された。

■ ビラスチンは、治療初期から症状を改善し、有効性は治療時期を通じて維持された。

 

 

結局、何がわかった?

 ✅ビラノアは、皮膚のかゆみを起こす疾患に、効果があり安全で許容される。

 

 

新規の抗ヒスタミン薬も使用できるようになる必要性があるでしょう。

■ 新しい抗ヒスタミン薬の使用方法に関しては、上記の児島先生のブログをご確認を。最近、書籍も出されていて、とてもわかり易いです(私も購入しました)。

■ なお、乳児に対するザイザルの有効性と副作用は以下のリンクをどうぞ。

 

 

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今日のまとめ!

 ✅ビラノアの長期処方の安全性と効果に関して報告された。効果・安全性は許容される範囲であるが、使用方法に注意を要する。

 

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