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食物に対する経皮感作。その条件に以外なものがあることが報告されました。

■ 今回はマウスにおける基礎研究結果をご紹介します。

「経皮感作」は、最近のアレルギー学のトレンドというか常識になってきています。そして、ハウスダスト中の食物抗原により、食物アレルギーを発症・増悪させます。

■ では、食物抗原のみが、食物感作に関与するのでしょうか? 環境抗原も、食物感作の一翼を担う可能性があるという結果をご紹介いたします。

 

Walker M, et al. Mechanism for Initiation of Food Allergy: Dependence on skin barrier mutations and environmental allergen co-stimulation. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2018. [Epub ahead of print]

皮膚バリア異常のある新生児期マウスに対し、環境アレルゲンおよび食物アレルゲンを同時に作用させ経皮感作させて、結果を検討した。

背景

■ 新生児における食物アレルギーの発症機序は未知であるが、皮膚バリア異常の遺伝的素因のある患者集団に対し明確に関連している。

■ しかし、皮膚バリア異常が食物アレルギー発症に機能的に関与するかどうかは不明である。

 

目的

■ この研究の目的は、患者集団における主にヘテロ接合性である皮膚バリア変異が、食物アレルギーの発症に関与する否かを確定することだった。

 

方法

■ FlgftおよびTmem79ma突然変異のあるヘテロ接合性マウスを、環境アレルゲンおよび食物アレルゲンで経皮感作させた。

■ 感作後、マウスに食物アレルゲンを経口投与し、次いで炎症、炎症メディエーター、アナフィラキシーを評価した。

 

結果

■ 皮膚バリア突然変異を有する新生児期のマウスに対し、食物および環境アレルゲンを短期間に皮膚へ同時曝露させて、炎症・炎症メディエーター・食物アレルゲン誘発アナフィラキシーの発症を定義した。

■ アレルギー体質である母マウスから出生した新生児期マウスは、食物アレルゲンによる感作に対する反応性が高まっていた。

■ 重要なことは、これらの新生児期のマウスによる食物アレルゲンに対する反応性は、皮膚バリア機能の遺伝子異常がある上で、さらに、環境アレルゲンへの曝露に依存していた。

■ 経皮感作中のST2の阻害は、アナフィラキシー、抗原特異的IgE、炎症性メディエーターの発生を阻害した。

新生児期のマウスのアナフィラキシー反応および抗原特異的IgEは、食物アレルゲンに対する事前の経口曝露によって阻害されたが、興味深いことに、この現象は環境アレルゲンが皮膚に同時曝露することによって弱められた

 

結論

■ この研究は、臨床的な食物アレルギーにおける、ヒトへの早期曝露や遺伝的特徴をもつ新生児期のマウスに対する食物感作およびアナフィラキシーのメカニズムを解明し、バリア機能変異が食物アレルゲンに対するアナフィラキシーの発症を促進することを実証する。

 

結局、何がわかった?

 ✅新生児期の皮膚バリア異常のあるマウスを食物感作は、食物抗原の経皮曝露で誘導され、その誘導は事前の経口曝露によって阻害される(経口免疫寛容と考えられる)。

 ✅しかし、経口免疫寛容は、環境アレルゲンを皮膚に同時に曝露すると弱められた。

 

 

マウスによる実験系での結果ではあるものの、食物アレルギーの発症には、環境抗原も関与する可能性があるという重要な結果と思われます。

■ 食物経口免疫寛容誘導(少しずつ食べることで、食べられる方向を誘導する)が注目されています。

皮膚の治療を同時に行うことが重要であることもわかってきていますが、環境抗原にも配慮するべきかもしれません

 

今日のまとめ!

 ✅食物アレルゲンへの経皮感作は、食物抗原のみならず、環境抗原も関与しているかもしれない。

 

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