Yang Z, et al. Cockroach is a major cross-reactive allergen source in shrimp-sensitized rural children in southern China. 2018; 73(3): 585-92.
交差抗原とは、例えばエビアレルギーの患者さんはカニで症状が出やすい、そういう関係のこと。
■ 交差抗原は思いがけないところにあり、例えば、ネコと豚肉が交差するかもといった報告をご紹介したことがあります。
■ また、エビとダニがアレルゲンとして交差するかもしれないという報告もあります。
■ 今回は、エビと"アレ"が交差するかもと言う話題。
広州市の学童5542人、韶関市の学童5319人から得られたアンケート調査から、食物による有害事象が確認された参加者の感作状況を確認した。
背景
■ 中国での食物アレルギー(food allergy; FA)の有病率についてはほとんど知られていない。
■ 本研究の目的は、中国南部における都市部と農村部のFAの差異を調査することだった。
方法
■ EuroPrevallアンケート調査は、広州市の学童5542人、韶関市の学童5319人から得られた。
■ この症例対照研究は、食物摂取後の有害事象(adverse reactions; AR)のあった広州の190人と韶関の116例、対照(広州212例、韶関233例)が登録された。
■ これらの参加者は、食物および吸入アレルゲンに対して皮膚プリックテスト(SPT)および血清IgE測定を受けた。
■ エビ、ハウスダストダニ(HDM)、ゴキブリアレルゲン抽出物が、広州20人および韶関20人のエビ感作者におけるIgE交差反応性試験のために用意された。
結果
■ エビへの有害事象率は、韶関市より広州で高率だった(3.5% vs 1.4%、P <.001)。
■ しかし、エビに対する感作率(SPT:3.7% vs 11.2%、P = 0.015、IgE:12.6% vs 36.2%、P <.001)およびゴキブリの感作率(SPT:5.3% vs 33.5%; IgE:2.6% vs 27.6 %、P <.001)は広州の方が低かった。
■ 韶関では、エビとゴキブリ特異的IgEに有意な相関が見られた。
■ トロポミオシンIgE陽性率(Pen a 1、Der p 10)は、両方で7.4%未満であった。
■ ゴキブリアレルゲンは、韶関市の血清ダニアレルゲンIgEへの結合の阻害率が有意に高かった。
結論
■ エビは中国南部で一般的な食物アレルゲンである。
■ 農村部におけるエビ感作率は、ゴキブリに対する交差反応によって説明することができた。
■ トロポミオシンは、交差反応性に反応する主要アレルゲンではなかった。
結局、何がわかった?
✅中国南部の農村部におけるエビ感作率高値は、ゴキブリとの交差反応によって説明することができる。
✅(エビの主要抗原である)トロポミオシンは、交差反応性における主要なアレルゲンではなかった。
思いがけない交差抗原。
■ エビに対する、思いがけない交差抗原として、ダニやゴキブリがあげられるということになりますが、、エビが食べられなくなりますね、、
今日のまとめ!
✅エビとゴキブリは、アレルゲンとして交差するかもしれないが、交差するのは主要抗原であるトロポミオシンではないようだ。