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Chaumont A, et al. Interactions between domestic water hardness, infant swimming and atopy in the development of childhood eczema. Environmental research 2012; 116: 52-7.

水の硬度や水泳は、アトピー性皮膚炎のリスクになるか?

■ 私事で2日ほど更新が滞りました。

■ 塩素を使用したプールと喘息に関しての関係は、いくつかの報告がありますが、アトピー性皮膚炎に対しての報告は多くはありません。

■ そのプールと喘息に関してですら、メタアナリシスで一応は関係はないという報告はあるものの、「悪化させる」という報告も少なくなく、結論はでていないと私は考えています。

■ 今回は、塩素を使用したプールとアトピー性皮膚炎の関連に関する報告をご紹介いたします。

 

 

5歳~6歳の358人に関し、水の硬度および幼児期の水泳参加の感作やアトピー性皮膚炎への影響を評価した。

目的

■ 最近の研究は、家庭の水硬度と塩素化プールでのスイミングが、小児期のアトピー性皮膚炎の罹患率を上昇させている可能性があることを示唆している。

■ これらの2つの因子ならびにそれらの因子とアトピー性皮膚炎との相互的な影響は研究されていなかった。

 

方法

■ 30の幼稚園における5歳~6歳の358人(男児54%)についての横断研究を行った。

■ 両親は、児の健康状態・塩素を使用したプールへの参加・交絡因子に関するアンケートを記入した。

■ 水道水の水質に関するデータは、水道会社から提供された。

アトピー状態は、少なくとも1種類の吸入アレルゲンに対する感作、またはアレルギー疾患に対する投薬があるものと定義された。

水の硬度および幼児期の水泳参加のアトピー状態への影響を多変量ロジスティックモデルによって評価した。

■ さらに、これらのリスク因子とアトピー状態への影響を、生物学的相互作用の2つの尺度を用いて評価された。(相互作用の起因する割合 [attributable proportion of interaction; AP]および相乗効果指数 [synergy index; S])を用いて評価した。

■ そして、AP> 0およびS> 1は、2つの危険因子間の生物学的相互作用があることを示した。

 

結果

■ 水の硬度はアトピー性皮膚炎の有病率と直線的に関連していたが、アトピー性皮膚炎と水泳の関係は線形ではなかった。

■ 硬水(> 150 mg / L CaCO3 L-1)とアトピー状態に生物学的相互作用があることが観察された。

硬水は、アトピー性皮膚炎の罹患率を増加させた(オッズ比[OR] 3.30、95%信頼区間[CI] 1.34-8.15)(AP 0.41; 95%CI 0.15-0.66 および S 2.4; 95%CI 0.96-6.01)

水泳とアトピー性皮膚炎が同時にあると、アトピー性皮膚炎の有病率が上昇した(OR 2.72; 95%CI 1.29-5.74)

■ 水硬度と水泳の組み合わせは、2つの要因に何らかの拮抗的相互作用があり、アトピー性皮膚炎の有病率はそれ以上増加しなかった(AP -0.56; 95%CI -1.12〜-0.01およびS 0.54; 95%CI 0.33-0.87)。

 

結論

硬水と水泳はアトピー状態と相互作用し、小児期のアトピー性皮膚炎の罹患率を増やすことが示された。

■ 硬水中の洗剤や塩、プール中の塩素系オキシダントによる表皮バリアの破損は、これらの相互作用を説明するかもしれない。

 

結局、何がわかった?

 ✅硬水と水泳は、アトピー状態と相互作用し、小児期の湿疹の有病率を高める。

 ✅洗剤または塩素による表皮バリア破壊は、これらの相互作用を説明しうるかもしれない。

 ✅アトピー性皮膚炎児は、硬水または塩素の強い水への曝露を避けることにメリットはある。

 

 

塩素を使用したプールでの水泳や硬水の使用は、アトピー性皮膚炎のリスクになるかもしれない。

■ 硬水に関して、私は本邦ではあまり考えなくていいかもしれないと思ってきましたが、最近の報告をみていると、そうでもないのかなと考え直してきています(ただし、最近の軟水器を使用したランダム化介入試験では効果はでていなかったので、軟水器の利用で良くなると言うわけでもないようです[この検討に関しては後日])。

塩素を使用したプールに関して、してもいいかどうかの質問を受けることが多いのですが、私は、「皮膚が安定して、ステロイド外用が少なくなったらいいですよ」とお答えしています

■ なお、希釈した塩素による入浴に関しては、クロスオーバー試験が最近実施されていて、効果は否定されています。

 

今日のまとめ!

 ✅塩素を使用したプールや硬水は、感作やアトピー性皮膚炎のリスクになるかもしれない。

 

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