麻疹(はしか)のアウトブレイクを予防するには、95%以上の予防接種率が必要かもしれない

van Boven M, et al. Estimation of measles vaccine efficacy and critical vaccination coverage in a highly vaccinated population. Journal of the Royal Society Interface 2010; 7:1537-44.

麻疹(はしか)のアウトブレイクを防ぐために、どれくらいの予防接種率が必要か?

■ 沖縄から始まった麻疹(はしか)流行に関して、予断できない状況が続いています。

■ 東欧では、麻疹(はしか)予防接種率の低下により、麻疹が流行し、多くの方が亡くなりました。

■ WHOは、95%以上の接種率を提示していますが、実際にアウトブレイクを防ぐ接種率をみた検討を見つけましたのでご紹介いたします。

 

*2018/5/6 ご指摘いただき、basic reproduction numberの訳を「基本再生産数」に修正しました。KID先生(@Dr_KID_ )ありがとうございました。

 

ドイツの公立学校で認められた麻疹(はしか)アウトブレイク事例を用いて、アウトブレイクを防ぐための予防接種率を求めた。

■ 麻疹は、WHOの4地区からの排除を目標とされた、非常に感染性の強い疾患である。

■ しかし、ワクチン接種率が高い集団(90%以上)でもアウトブレイクが記録されているため、この目標が実現可能かどうかは不確かである。

■ そこで、基本再生産数(R0)、ワクチン有効性(vaccine efficacy; VES)、決定的なワクチン接種率(critical vaccination coverage; PC)といった鍵となる疫学的パラメータの推定値を、ドイツの公立学校で大規模なアウトブレイク例(ワクチン接種率が高い集団で部分的なアウトブレイクが観察された集団)を用いて推定した。

■ この分析は、最終的なサイズ分布に基づくベイジアンの推論方法に依存し、容易に収集されるデータを使用した。

■ ドイツの公立学校では、麻疹の基本再生産数が以前のよりも高いことが示されており(R0 = 30.8; 95%信頼区間:23.6-40.4)、ワクチンは感染予防に非常に効果的と推定された(VES = 0.997; 95%信頼区間 0.993-0.999)

集団免疫を達成するには95%を超えるワクチン接種率が必要であると推定された(PC = 0.971; 95%信頼区間 0.961-0.978)

論文から引用。アウトブレイクを防ぐためには予防接種率は95%以上が必要であることを示している。

 

結局、何がわかった?

 ✅麻疹(はしか)の集団免疫を達成するには、95%を超えるワクチン接種率が必要であると推測された(PC = 0.971; 95%信頼区間 0.961-0.978)。

 

 

予防接種率の低下は、麻疹(はしか)のアウトブレイクを来すといえ、予防接種率95%が目安のようです。

■ 今回の麻疹(はしか)の流行は、沖縄からはじまりました。2016年の統計をみてみると、2回目の予防接種率が最も低い地域だったようです。

厚生労働省 麻しん風しん予防接種の実施状況から引用。

■ 予防接種率のみで語ることはできないでしょうけれども、東欧での麻疹アウトブレイクも、予防接種率の低下が原因と推測されています。

■ 麻疹は、いったんアウトブレイクすると、その鎮静には大きな労力だけでなく先進国ですら1000人に1人程度は亡くなる方を発生させます。

■ アウトブレイクが始まってしまった場合、医療機関にワクチン接種を希望される方が殺到し、入院する受け皿も破綻することは明らかです。今のうちにワクチン接種をお願いしたいと思います。

 

 

今日のまとめ!

 ✅麻疹(はしか)のアウトブレイクの予防のためには、ワクチン接種率95%が一つの目安と言えそうだ。

 

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