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Lowe AJ, et al. The skin as a target for prevention of the atopic march. Annals of Allergy, Asthma & Immunology 2018; 120(2): 145-51.

Lowe先生による、アトピー性皮膚炎を保湿剤で予防するというテーマのレビュー、最終回。

■ 最終回です。今回はまとめに向けて、費用対効果、代替戦略が述べられます。

■ 第1回~5回はリンクから順にどうぞ。

【部分訳】皮膚は、アトピーマーチ予防のターゲットか?(第1回/全6回)~イントロダクション~

 

保湿剤によるアトピー性皮膚炎予防の費用対効果と、最後のまとめ。

費用対効果

■ 最終的に、このテーマによる研究の目的は、将来の世代のアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患を予防するための実現可能な手段を提供することである。

■ これらの疾患は、家族や医療制度に対する疾患やコストの負担が大きく、負担を軽減する介入は歓迎すべきである。しかし、これらの介入の費用が非常に高ければ、広く採用される可能性は低くなる

■ 保湿剤の費用は製品により大きく異なる。標準的な保湿剤は比較的安価であるが、セラミドを主成分とする保湿剤はかなり高価である。

■ 市販されているワセリンベースの保湿剤であるAquaphor(Beiersdorf AG、Hamburg、Germany)と比較して、セラミドを主成分とする保湿剤はアトピー性皮膚炎治療として同等の効果を示したが、コストが高いため費用効果が低かったと報告されている。

 

代替の戦略

■ 多くのアプローチがアレルギー性疾患を予防するために試みられてきた。

■ 多くのこれらの戦略の高価についての論争は残っているものの、アレルギー食物の早期導入は食物アレルギーに対し特異的なアレルギー予防をするというエビデンスが増えている。

二重抗原曝露仮説が正しいならば、早期の食物アレルゲン曝露と皮膚バリア改善を組み合わせた戦略が、これらの疾患の発症率を低下させる最適な手段となりうる

■ 現時点では、アレルギー疾患予防のための他の戦略を推奨するエビデンスは不十分である。

■ これまで試行されてきた介入には、経口プレバイオティクス、プロバイオティクス、加水分解乳使用が含まれる.

■ 出生前・後のビタミンD補充の効果を決定する試験が現在進行中である。

■ これらの戦略を推奨するための十分なエビデンスはない。多くの場合は有益ではないという決定的なエビデンスはなく、その使用を支持する堅牢な研究データも不足している。

 

結論

乳児期のアトピー性皮膚炎とアレルギー性疾患には強い関連があり、理論的には本質的な原因であり、皮膚バリア障害や炎症が増加することを介して惹起される

■ 新生児の皮膚バリア機能を改善する介入は、湿疹の発症率を約半減させることができ、これまでに最も有望なアトピー性皮膚炎予防戦略の1つとなっていることが示唆される。

■ 利用可能なデータは、現時点で推奨するのに十分ではないが、エキサイティングな見通しを提供している。

■ 今後5年間での乳児期の定期的な保湿剤使用によるアトピー性皮膚炎発症低下が、食物アレルギーやアレルギー性呼吸器疾患の減少につながるかどうかを判断するのに役立つことになるだろう。

■ ドライスキンやアトピー性皮膚炎を予防するための保湿剤の使用以外にも、アレルギー疾患を予防するための新しい治療アプローチを開発するために必要な、皮膚の食物アレルギー感作に関係する複雑な免疫経路、遺伝的異常、脂質変化、微生物異常を特定するために、さらなる研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

 ✅アトピー性皮膚炎に対する、疾患・コストの負担は大きく、負担を軽減する介入は歓迎すべきである。しかし、セラミドベースの保湿剤は高価である。

 ✅アレルギー疾患予防のための他の戦略を推奨するエビデンスは不十分である。

 ✅アレルギー疾患を予防するための新しい治療アプローチを開発するためには、免疫経路、遺伝的異常、脂質変化、微生物異常など、さらに研究が必要である。

 

保湿剤によるアトピー性皮膚炎予防に関するレビュー、いかがだったでしょうか?

■ レビューは、その作成した先生の主観により選択された論文で述べられるものですから、エビデンスレベルが高いものではありません。しかし、自分の目から見ても納得できる、素晴らしいレビューだったと思います。

■ あくまで医療者向けですが、基礎医学に対する言及は少なく、分かりやすいレビューでした。

 

今回のレビューにはありませんが、セラミドが含有されており先行研究にも使用されている下記のローションを最近は勧めることが増えました。ネットで購入すると、ワセリン並みに安価です。

 

今日のまとめ!

 ✅アトピー性皮膚炎予防に関し、保湿剤によるバリア保護の視点から述べられた。

 

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