突発性発疹(ヘルペスウイルス6型)の特徴は?

Hall CB, et al. Human Herpesvirus-6 Infection in Children--A Prospective Study of Complications and Reactivation. New England Journal of Medicine 1994; 331(7): 432-8.

突発性発疹は、皆が経験する感染症です。

■ 以前、突発性発疹の原因ウイルスであるHHV-6を、2歳まで毎週唾液からPCRにより検討するという研究をご紹介しました。

突発性発疹はいつ罹患し、どのような臨床経過をとっているか?

■ 今回も古いNEJMからで、突発性発疹の原因ウイルスであるHHV6に関してです。

 

 

急性疾患のために救急部に受診した3歳未満児に関し、どれくらいが突発性発疹によるもので、どのような臨床経過をとっているか?

背景

■ ヒトヘルペスウイルス-6型(HHV-6)による感染は、乳児期または小児期に普遍的である。

■ しかし、HHV-6感染の経過、合併症、持続性/再活性化の可能性は不明である。

 

方法

急性疾患のために救急部に受診した3歳未満の乳児と小児を検討した。

■ 急性疾患のない乳児・小児を対照として調査した。

■ HHV-6感染は、血液単核細胞培養、血清学的検査、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって特定された。

 

結果

発熱のない急性疾患だった582人の乳児/小児または急性疾患でない352人の対照において、HHV-6感染は検出されなかった

急性発熱疾患を有する1653人の乳児/小児のうち、160人(9.7%)がHHV-6初感染であり、ウイルス血症およびセロコンバージョンによって証明された。

HHV-6初感染の年齢は生後2週間~25カ月であり、23%が生後6か月未満だった。

■ HHV-6感染は、生後6〜12ヶ月児の熱性疾患のために救急部へ受診した365回中20%を占めた。

急性HHV-6感染の160人の乳児/小児のうち21人(13%)が入院し、21人が熱性けいれんを起こした

■ けいれんはしばしば遅く発症し、長引き、再発した。

HHV-6感染は、2歳までの小児における全けいれんの3分の1を占めていた。

 

 

結局、何がわかった?

3歳までに急性熱性疾患で受診した児1653人において、 

 ✅160人(9.7%)がHHV-6初感染だった。

 ✅HHV-6初感染は生後2週間~25カ月であり、生後6か月未満が23%含まれた。

 ✅HHV-6初感染の160人のうち21人(13%)が入院し、21人が熱性けいれんを起こした。

 

 

突発性発疹は、小児の急性熱性疾患で多くを占めると予想される。

■ 以前ご紹介した報告と合わせ、一般的な外来ではこのあたりの数値を頭に入れておくと患者さんに説明しやすいのではないかと思います。

 

 

今日のまとめ!

 ✅3歳未満の急性熱性疾患において、9.7%がHHV-6初感染で、25ヶ月までに多くが感染するが、生後6ヶ月未満も1/4程度ある。熱性けいれんは比較的多い。

 

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