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Smack DP, et al. Infection and allergy incidence in ambulatory surgery patients using white petrolatum vs bacitracin ointment. A randomized controlled trial. Jama 1996; 276(12): 972-7.

創傷管理として、抗菌薬外用を予防的に塗布すると、術後感染症はへるか?

ほむほむ、アトピー性皮膚炎がひどくなると、とびひが増えたりするっている話があったよね?

ほむほむ
そうだね。アトピーがあると膿痂疹は1.8倍に増加するという報告もあるな。皮膚が悪化すると常在菌が減り常在菌がつくっている抗菌ペプチドという、天然の抗菌薬みたいな物質が減るという機序も報告されているね。

じゃあ、皮膚がよくなれば、感染もすくなくなるの?

ほむほむ
おそらくね。実際、保菌しているだけではないかというようなアトピー性皮膚炎の湿潤性の湿疹では、抗生剤を使わなくても、スキンケアをきちんとすると皮膚は同じくらい改善することがランダム化比較試験で示されているよ。

じゃあ、抗生剤はつかわずにすむケースも多そうだね?

ほむほむ
そうだね。ワセリンは、それ自体に抗菌作用もあるのではという報告もあるくらいだからね。
今回は、すこし古い報告だけど、術後に「抗菌薬外用」と「ワセリン」を予防的に塗って、術後感染症の発生に差があったかをみたJAMAの報告をみてみようか。

術後の創傷管理として、白色ワセリン塗布群440人、バシトラシン塗布群444人にランダム化し、4週間の術後感染率が評価された。

目的
■ 創傷感染の発生率、アレルギー性接触皮膚炎の発生率、治癒特性に対する白色ワセリン vs バシトラシン軟膏の効果を評価する。
試験デザイン
■ 術後の創傷ケアにおいて、白色ワセリンとバシトラシン軟膏とを比較する、ランダム化二重盲検前向き試験。
セッティング
■ W・リード軍医療センター(ワシントンDC)の一般外来皮膚科クリニックと三次外科手術クリニック。
参加者
■ 全1249の創傷のために皮膚科手術を受けた患者計922人。
主要アウトカム指標
■ プライマリアウトカムは4週間のフォローアップ期間中の感染症やアレルギー性接触性皮膚炎の発生率で、セカンダリアウトカムが治癒特性だった。
結果
■ 登録された922人のうち、白色ワセリン群は440人、バシトラシン群は444人が臨床的な反応性を評価された。
■ 2群は、試験開始時、同様の特性をもった群だった。
13人(1.5%)が術後感染(白色ワセリン群 9人 [2.0%]、バシトラシン群 9人[0.9%])を発症し、その差の95%信頼区間は-0.4%〜2.7%だった( P = .37)
白色ワセリン群のうち8感染(1.8%)は黄色ブドウ球菌によったが、バシトラシン群には黄色ブドウ球菌はなかった(P = .004)
白色ワセリン群にアレルギー性接触皮膚炎を発症した例はなかったが、バシトラシン群は4人(0.9%)発症した(P = .12)
■ さらに、処置開始後1日目(P = .98)、7日目(P = 0.86)、28日目(P = .28)において、群間の回復に臨床的な有意差はなかった。
結論
■ 白色ワセリンは、外来手術における安全で効果的な創傷ケア軟膏である。
■ バシトラシンと比較して、白色ワセリンは同等の低い感染率であり、アレルギーの誘発リスクは最小限であった。

 

結局、何がわかった?

 ✅皮膚科創傷術後に、白色ワセリン群440人、バシトラシン群444人にランダム化して4週間の感染症率を比較すると、白色ワセリン群 9人 [2.0%]、バシトラシン群 9人[0.9%]が術後感染を発症したが、有意差はなかった( P = .37)。

 ✅感染例として、白色ワセリン群のうち8感染(1.8%)は黄色ブドウ球菌により、バシトラシン群では黄色ブドウ球菌はなかった(P = .004)。

 ✅白色ワセリン群にアレルギー性接触皮膚炎を発症した例はなかったが、バシトラシン群は4人(0.9%)発症した(P = .12)。

 

 

術後感染予防のために抗菌薬外用をしても、ワセリン塗布群と感染症発生率に有意差はない。

■ バシトラシン軟膏は、本邦ではバラマイシン軟膏ですが厳密にはフラジオマイシンとの配合剤なので、ちょっと異なります。

■ 抗生剤を使えば術後感染もへるかというと結局差がないというのは、考えさせられる結果ですね。

 

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今日のまとめ!

 ✅術後感染予防には、抗菌薬外用のかわりに白色ワセリンでもよさそうだ。

 

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