Cornillier H, et al. Chronic spontaneous urticaria in children - a systematic review on interventions and comorbidities. Pediatr Allergy Immunol 2018; 29:303-10.
慢性じんましんは、小児でも経験されます。
予後は成人より子どものほうがいいんじゃないかと昔は言われていたけど、最近の報告をみるかぎり同じくらいかもしれないという結果のようだね。
今回、小児の慢性蕁麻疹に対する特徴をまとめたメタアナリシスがあったのでみてみようか。
12歳未満の小児における慢性特発性蕁麻疹9研究633人に対するシステマティックレビューを実施した。
背景
■慢性特発性蕁麻疹(Chronic spontaneous urticaria ;CSU)は小児ではそれほど多くはない。
■じんましん管理ガイドラインは、成人と12歳〜18歳を含むランダム化比較試験(randomized controlled trials; RCT)について作成されているが、12歳未満のデータは限られている。
■我々は、12歳未満児のCSUの合併症と治療の有効性や安全性を評価するためのシステマティックレビューを行った。
方法
■MEDLINE、EMBASE、CENTRAL、LILACSにおいて、2005年から2016年7月までに発表された12歳未満児のCSUに関し疫学データや治療データを検索した。
■論文選択とデータ抽出は二重に行った。
結果
■ このシステマティックレビューには、疫学データに関する報告9件(633人)が含まれていた。
■アトピー(28.1%)、自己血清皮膚検査陽性(36.8%)、甲状腺異常(6.4%)、検出可能な抗核抗原(10.4%)、ヘリコバクターピロリ血清陽性(21.1%)、ビタミンD値低値(69.1%)、精神障害が70.4%があった。
■対照群との比較は、1試験のみで可能だった。
■我々のレビューには、5つの異なる薬物、主にH1-抗ヒスタミン剤(n = 297)を記載した10研究(小児322人)が含まれていた。
■ランダム化比較試験では、ルパタジン単回投与、デスロラタジン単回投与、プラセボとを比較した。
■シクロスポリンは有効であり、18人に悪影響はなかった。
■オマリズマブ、モンテルカスト、セフロキシムは、非常に小さいシリーズ研究(患者数がそれぞれ5人、1人、1人)で報告された。
結論
■H1-抗ヒスタミン剤は12歳未満児の慢性特発性蕁麻疹(CSU)に有効であり、認可された用量で安心して使用できる。
■シクロスポリンは有効と思われるが、エビデンスレベルは低い。
結局、何がわかった?
✅12歳未満の慢性特発性蕁麻疹において、アトピー(28.1%)、自己血清皮膚検査陽性(36.8%)、甲状腺異常(6.4%)、検出可能な抗核抗原(10.4%)、ヘリコバクターピロリ血清陽性(21.1%)、ビタミンD値低値(69.1%)、精神障害が70.4%を認めた。
ちょっとまだ、システマティックレビューには早かったようですが。
■ 精神障害(Psychiatric disorders)が気になって本文を確認すると、27人の1本の報告からのみのデータでした。
■ また、シリーズ研究と言いながら、1人とかって、、、症例報告では。
■ また、自己血清皮膚検査などは予後に対しあてにならないという報告もありますし、今回のシステマティックレビューはまだ早かったようです。
今日のまとめ!
✅H1-抗ヒスタミン剤は12歳未満児の慢性特発性蕁麻疹に有効であり、いくつかの特徴はみえたが、まだ確定的なことは言えないようだ。