熱性けいれん時の解熱薬の使用は、けいれんの再燃を予防する
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熱性けいれんに対して、解熱薬を使用するか否か?

熱性けいれん診療ガイドライン2015では、CQ6-1で、「発熱時の解熱薬使用が熱性けいれん再発を予防できるとするエビデンスはなく再発のための使用は推奨されない(グレードC)」と記載があります。

■ 使用してはいけないという意味では全くありませんが、やや消極的な話をする医師が多いようです。

■ そのテーマでの大規模ランダム化比較試験が最近報告されました。

 

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Murata S, et al. Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode. Pediatrics 2018; 142(5).

熱性けいれんで受診した423人(生後6〜60ヶ月)に対し、アセトアミノフェン使用群・非使用群にランダム化し、けいれんの再燃率を比較した。

目的

熱性痙攣(febrile seizures ;FS)に対するアセトアミノフェンの使用に関する安全性を確認し、発熱エピソード中のFSの再発を予防することに対する有効性を評価する。

 

方法

■ この単一施設における前向き非盲検ランダム化対照比較試験では、2015年5月1日から2017年4月30日に当院を受診したFSのあった小児と乳児(年齢範囲 6〜60ヶ月)が含まれた。

■ アセトアミノフェンの有効性は、アセトアミノフェンの経直腸投与(10 mg / kg)を最初の痙攣の24時間後まで6時間ごとに投与した患者のFS再発率と、解熱薬を使用されなかった患者の再発率とを比較することによって調査された。

■ 対照にはプラセボを投与されなかった。

■ プライマリアウトカムは、同じ発熱エピソード内でのFS再発であった。

 

結果

423人の患者が評価された。

■ これらのうち、219人がアセトアミノフェン直腸投与群に、204人が解熱剤を使用しない群に割り振られた。

■ 単変量解析では、アセトアミノフェン直腸投与群のFS再発率は9.1%で、解熱剤非投与群よりも有意に低かった(23.5%; P <0.001)

■ 最終的な多重ロジスティック回帰分析における変数において、アセトアミノフェン経直腸投与が、同じ発熱エピソード中のFS再発の予防に対する最大の要因だった(オッズ比 5.6; 95%信頼区間 2.3-13.3)

 

結論

■ アセトアミノフェンはFSに対する安全な解熱薬であり、同じ発熱エピソード内でのFS再発を予防する可能性がある。

 

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結局、何がわかった?

 ✅ 熱性けいれんのあった生後6~60ヶ月児において、アセトアミノフェン投与群の熱性けいれん再発率は9.1%、解熱剤非投与群23.5%よりも有意に低かった(P <0.001)。

 

熱性けいれんに対する解熱剤使用のプラクティスは変わるか?

■ 熱性けいれん時の解熱剤使用に関しては、すでに先行研究でけいれんの再燃に有意差がないという報告があり(Eur J Pediatr. 1993;152(9):747–749)、メタアナリシスでも同様の結果です(Eur J Paediatr Neurol. 2013;17(6):585–588)。

■ しかも、この研究では、FS再発の有無にかかわらず、アセトアミノフェン投与の2時間後の体温に有意差はなかったそうです。なぜ、先行研究と異なる結果になったのかは明らかとは言えませんが、アセトアミノフェンの解熱作用以外の作用によってFS再発を低下させるのではないかと考察されています。

■ そして、本研究の結論において、FSに対してアセトアミノフェンを定期的に使用することに関しては、FSの予後が一般的に良好でもあり、やはり推奨しないと記載されていました

■ 現状では、「熱性けいれん時の解熱薬使用は使っていけないわけではないが、再燃予防のために定期的に使用することは推奨されない」という、ガイドラインの推奨を覆すまではいかないように思います

■ ただし、医師によっては「熱性けいれん時に解熱剤は絶対使ってはいけない」という指導をされることもあります。その指導は行き過ぎともいえるでしょう。熱性けいれん時も一般的な使用、「発熱で水分が取りづらい」「発熱で眠りにくい」などで使用するという方法で良いと考えています

 

今日のまとめ!

 ✅ 熱性けいれん時に解熱剤を使用するとけいれんの再燃が少なくなるという結果だったが、報告内の結論でも、「再燃予防のために定期的に解熱薬を使用すること」に対しては推奨とはなっていなかった。

 

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