肺炎球菌ワクチンは、どれくらい副反応としての発熱があるか?

肺炎球菌ワクチンは、副反応としての発熱が多いです。

肺炎球菌ワクチンは極めて重要なワクチンであり、月齢の低い乳児に接種することにより「侵襲性の」疾患を明らかに減らしました

■ しかし、比較的発熱が多いワクチンです。発熱により心配されて受診される方も、そしてまた、紹介を受けることも多いです。

■ さて、その発熱はどれくらいの頻度であるのでしょう

■ 今回の報告は7価ワクチン(現在は13価です。13価だから副反応が多くなるという意味ではありません)の有効性を示した報告ですが、全文をフリーで確認できるうえ、発熱のデータがありましたのでご紹介いたします

 

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Black S, et al. Efficacy, safety and immunogenicity of heptavalent pneumococcal conjugate vaccine in children. Northern California Kaiser Permanente Vaccine Study Center Group. Pediatr Infect Dis J 2000; 19:187-95.

37,868人の乳児に対し、肺炎球菌コンジュゲートワクチンもしくはC型髄膜炎菌コンジュゲートワクチンにランダム化し、生後2、4、6、12〜15ヶ月で接種した。

■ 7価肺炎球菌ワクチンは、乳幼児の侵襲性疾患の予防に非常に効果的であり、中耳炎の発症に大きな影響を与えると思われた。

 

が、結論ですが、今回は発熱の頻度に関する表をお示しします。

論文から引用。左のPNCRM7が肺炎球菌ワクチン。

■ 肺炎球菌ワクチンに関し、38度以上の発熱が15.1%~23.9%、39度以上の発熱が0.9~2.5%の発熱を認めた。

 

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結局、何がわかった?

 ✅ 肺炎球菌ワクチンに関し、38度以上の発熱が15.1%~23.9%、39度以上の発熱が0.9~2.5%の発熱を認めた。

 

肺炎球菌ワクチンは38度以上の発熱を2割程度、39度以上の発熱を1%前後認める。

生後1ヶ月未満の発熱に関しては、基本的に全例入院精査を要します(すべてがリスクが有るという意味ではなく、その一部のリスクが極めて大きいからです)。肺炎球菌ワクチンは生後2ヶ月以降の接種になります。

■ そして生後1ヶ月~生後3ヶ月未満の児の発熱は十分な診療の上での判断で、精査もしくは注意深い外来フォローを要します。その時期の肺炎球菌ワクチン後の発熱が特に悩ましくなるケースがあることになります。

■ 一つの参考ではありますが、私は肺炎球菌ワクチン後の発熱としても39度以上の発熱の場合は「肺炎球菌ワクチンの影響ではないかもしれない」と思う情報として、この報告を読みました。

 

今日のまとめ!

 ✅ 肺炎球菌ワクチンは38度以上の発熱が2割程度、39度以上の発熱が1%前後認める。

 

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