ピーナッツに対する経皮免疫療法(EPIT)、1年間でどれくらい改善するか?
スポンサーリンク

経皮免疫療法が、安全性の面で注目されています。

■ 経皮免疫療法は、「湿疹のない皮膚に対して食物抗原を特殊なテープで貼り、免疫寛容を誘導する」方法です。

■ 「経皮感作」と矛盾するように感じるかもしれませんが、経皮感作は「経湿疹感作」といえ、きれいな皮膚からは「状況によっては」寛容を誘導することが考えられており、実用化が目指されています。

 

スポンサーリンク(記事は下に続きます)



 

Fleischer DM, et al. Effect of Epicutaneous Immunotherapy vs Placebo on Reaction to Peanut Protein Ingestion Among Children With Peanut Allergy: The PEPITES Randomized Clinical Trial. Jama 2019. [Epub ahead of print]

ピーナッツタンパク質300 mg以下で症状のある356人(4〜11歳)に対し、ピーナッツ経皮免疫療法群とプラセボ群にランダム化し、12ヶ月間の介入効果を比較した。

重要性

■ 現在、ピーナッツアレルギーに対する承認された治療法はない。

 

目的

■ ピーナッツアレルギーの児においてピーナッツのパッチを用いた経皮免疫療法の有効性と有害事象を評価する。

 

デザイン、セッティング、参加者

■ 2016年1月8日~2017年8月18日に5カ国31施設で実施された第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。

■ 参加者は、 ピーナッツタンパク質300 mg以下の誘発用量での二重盲検プラセボ対照食物負荷試験で客観的症状を発症するピーナッツアレルギーの児(強いアナフィラキシーの既往のない年齢4〜11歳の356人)が含まれた。

 

介入

■ ピーナッツタンパク質 250μg 238人またはプラセボ 118人のいずれかを含んでいるピーナッツパッチにより12ヶ月間毎日の治療を実施した。

論文から引用。介入のフローチャート。

 

主な結果と計測

■ 主な結果は、試験開始時と12ヶ月時の食物負荷により決定された誘発用量(即時型過敏症反応の客観的徴候や症状が発現する最高用量)に基づくピーナッツパッチとプラセボパッチの有効であった者の割合の差だった。

■ 治療後の誘発用量が300 mg以上の場合、試験開始時の誘発用量が10 mg以下であった場合は有効とされた。

■ 治療後の誘発用量が1000 mg以上の場合、試験開始時の誘発用量が10〜300 mgを超えていた参加者は有効とされた。

■ 有効であった率の差における95%CIの下限より15%以上の閾値が、陽性試験結果を決定するために予め指定された。

■ 有害事象の評価には、治療に起因した有害事象(treatment-emergent adverse events; TEAE)の収集が含まれた。

 

結果

ランダムに割り付けられた356人(年齢中央値 7歳; 男児61.2%)のうち、89.9%が試験を完了した。

■ 治療アドヒアランス率は平均98.5%だった。

有効であった率は、ピーナッツパッチ治療群が35.3%、プラセボ群が13.6%だった(差 21.7% [95%CI 12.4%-29.8%; P <0.001])

■ 事前に指定された95%CIの閾値の下限は満たされなかった

論文から引用。介入結果。

■ TEAE (主にパッチの使用部位反応)は、それぞれアクティブ群 95.4%、プラセボ群89%で発生した。

■ すべての中止率は、ピーナッツパッチ群で10.5%、プラセボ群で9.3%だった。

 

結論と関連性

4〜11歳のピーナッツアレルギー児において、ピーナッツパッチ 250μg治療とプラセボにおける12ヵ月時点での有効であったものの割合の差は21.7%であり統計的に有意だったが、陽性試験結果に対する基準である信頼区間の所定の下限を満たさなかった

■ 経皮免疫療法によるピーナッツアレルギー児の治療における信頼区間の下限を満たさないことの臨床的関連性は、まだはっきりしていない。

 

スポンサーリンク(記事は下に続きます)



 

結局、何がわかった?

 ✅ ピーナッツアレルギーのある4~11歳の児において、12ヶ月間の介入の結果、ピーナッツ経皮免疫療法群が35.3%、プラセボ群が13.6%有効と判定された(差 21.7% [95%CI 12.4%-29.8%; P <0.001])が、事前に決められた95%信頼区間の下限15%以上には達しなかった。

 

経皮免疫療法は有効と考えられますが、その有効性に限界があるといえるでしょう。

■ 食物経口免疫療法は、そのリスクのために標準化にハードルがあるといえます。

経皮免疫療法は安全性には優勢であるものの、有効性はやや低く、「有効性の基準」自体が「甘く」設定されていることがわかるでしょう。

■ 食べられるようになることが目標ではなく、「閾値があがること」が有効性の基準になっていることがわかると思います。

■ そして、その有効性は確かですが、事前に決められた基準までは達しなかったという結果でした。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 経皮免疫療法は、有効であるもののその有効性には限界があるかもしれない。

 

Instagram:2ヶ月で10000フォロワーを超えました!!!

Twitterでフォローしよう