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学童期までの喘息発症には、乳幼児期のアトピー性皮膚炎の重症度が大きく影響している。

■ 乳幼児期のアトピー性皮膚炎がその後の喘息のリスクになることは、様々な報告で明らかになっています。

■ さらに、「単なる」アトピー性皮膚炎ではなく、乳幼児のアトピー性皮膚炎の「重症度」や「アレルゲン感作」がその後の喘息発症に関連することも多くの報告があります。

■ やや古典的な報告ですが、米国免疫アレルギー学会雑誌(Journal of Allergy and Clinical Immunology)の報告をご紹介します。

 

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Illi S, et al. The natural course of atopic dermatitis from birth to age 7 years and the association with asthma. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2004; 113:925-31.

ドイツの出生コホート試験において、出生から7歳まで1314人を追跡し、アトピー性皮膚炎と気管支喘息の関連を検討した。

背景

アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis; AD)は、アトピーマーチの最初の症状の1つであると考えられている。

■ ただし、ADと小児喘息との関連に関する前向き研究はほとんどない。

 

目的

■ 本研究の目的は、その予後に影響を与える要因を決定し、小児喘息とADの関係を分析するために前向きにADの経過を調査することだった。

 

方法

■ 多施設アレルギー研究である、ドイツの出生コホートは、出生から7歳まで1314人の児を追跡した。

■ 理学的検査、アトピー症状と診断に関する親への面談、特異的IgE価の定量を定期的に行った。

 

結果

■ 2歳までのADの累積有病率は21.5%だった。

■ 乳幼児期ADのあるこれらの児のうち、43.2%が3歳までに完全に寛解し、38.3%が断続的な疾患パターンを示し、18.7%が毎年ADの症状を有した。

重症度(調整累積オッズ比 5.86; 95%CI 3.04〜11.29)、アレルゲン感作(調整累積オッズ比 2.76; 95%CI 1.29〜5.91)が予後に対する主要な決定因子だった。

論文から引用。アトピー性皮膚炎の重症度とアレルゲン感作が喘息発症に強く関連する。

■ 乳幼児期早期の喘鳴や特異的IgE感作のパターンは、ADに関係なく、学齢期の喘鳴の重要な予測因子だった。

これらの補助因子のない乳幼児期ADには、その後の喘鳴(調整オッズ比1.11; 95%CI 0.56-2.20)や気管支過敏性のリスク増加はみられなかった

 

結論

■ ADは乳児期によく見られる症状であるが、多くは3歳前後で軽快する。

■ 予後は主にアレルゲン感作の重症度と存在によって決定される。

■ 乳幼児期ADは学童期の喘息と関連しているが、これらの喘息児の多くでは、喘鳴はADの発症前または発症と共に現れる。

■ ADおよび喘鳴のある児は肺機能の著しい低下がありし、ADから喘息への進行性の発症よりむしろ異なるフェノタイプであることを示唆する。

 

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結局、何がわかった?

 ✅ 2歳までのアトピー性皮膚炎の重症度(調整累積オッズ比 5.86; 95%CI 3.04〜11.29)やアレルゲン感作(調整累積オッズ比 2.76; 95%CI 1.29〜5.91)は、7歳までの喘息発症に関連する有意な因子だった。

 

乳幼児期のアトピー性皮膚炎を重症化させないように介入することは重要だろうと考えられる。

■ 乳幼児期のアトピー性皮膚炎の多くが自然に改善することは確かです。

■ 一方で、一部のアトピー性皮膚炎は重症化し、その重症度そのものがその後のアトピー性皮膚炎の持続に大きく関与していることもあきらかになってきています。

■ そして、早期発症・持続したアトピー性皮膚炎は、他のアレルギー疾患を発症するリスクになります。

乳幼児期のアトピー性皮膚炎を受賞化させないように治療介入することは重要と考えられるでしょう。

■ お子さんの全身をみていく小児科医として、乳幼児期のアトピー性皮膚炎に早急に介入しなければならないと思う理由のひとつです。

 

今日のまとめ!

 ✅ 2歳までのアトピー性皮膚炎が重症であると、7歳までの喘息発症リスクを約6倍にし、アレルゲン感作を伴うと7歳までの喘息発症リスクを約3倍にする。

 

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