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経口免疫療法は、決して安全ではありません。そのリスク因子をつかむことは重要です。

■ 経口免疫療法は、すこしずつアレルゲンとなる食物を摂取して寛解を誘導する治療です。

■ しかし、決して標準療法とはいえないのは、リスクが厳然とあるからです。そのため、リスク因子の探索は重要です。

■ 今回は、牛乳に関する経口免疫療法のリスク因子を調査した研究をご紹介します。

 

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De Schryver S, et al. Adverse events in oral immunotherapy for the desensitization of cow's milk allergy in children: a randomized controlled trial. J Allergy Clin Immunol Pract 2019.[Epub ahead of print]

牛乳経口免疫療法を受けている小児41人に関し、アナフィラキシーを起こす因子を検討した。

背景

■ この研究は、食物に誘発されたアナフィラキシーのコンセンサスの定義を用いて、牛乳経口免疫療法(cow's milk oral immunotherapy; CM-OIT)の副作用に焦点を当てた。

 

目的

■ 小児におけるCM-OIT中のアレルギー反応(allergic reactions; AR)のリスクを評価し、アナフィラキシーのアレルギー反応(anaphylactic AR; AAR)のより高いリスクに関連する危険因子を特定する。

 

方法

■ CM-OITを受けている小児の臨床カルテを慎重にレビューした。

■ ARはCMタンパク質に反応しひとつの臓器のARとして定義され、AARは2臓器系および/または血圧低下として定義された。

■ 記述統計を使用し、人口統計、発症、アレルギー反応の特性、併存疾患を表した。

■ ポアソン解析を実施して、AARに関連する危険因子を評価した。

 

結果

CM-OITを受けている小児41人のうち、11人は治療を中断した(N = 26.8%)

■ 負荷時の平均年齢は12.1歳(SD 3.6)であり、半数は男児(56.1%)だった。

■ 患者あたりのAARの平均数は6.0回(SD 3.5)であり、患者あたりの非アナフィラキシーARの平均は17.4回(SD 11.9)だった。

■ OIT中止例のうち、患者1人当たりのAARの回数は平均8.3回であったのに対し、非中止例では5.1回だった。

試験開始時のα-ラクトアルブミン、カゼインsIgEがより高い小児では、AARがより頻繁に見られた (それぞれ1.11 [ 95%CI 1.01~1.22] および1.01 [1.0~1.03])

試験開始時に湿疹が軽快していたもしくはβ-ラクトグロブリンsIgEがより高い児は、AARを発症する可能性が低かった(それぞれ、( 0.13 [ 95%CI 0.04~0.46])、(0.96 [ 95%CI 0.94~0.99 ])

 

結論

■ OIT中のARの大部分はアナフィラキシーではないが、AARはしばしば生じる。

■ 試験開始時のα-ラクトアルブミンとカゼインsIgEが高値であるとOIT中のAARのリスクが高いようである。

 

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結局、何がわかった?

 ✅ 試験開始時のα-ラクトアルブミン特異的抗体価高値、カゼイン特異的IgE抗体価がより高い小児では、アナフィラキシーがより頻繁に見られた (それぞれ1.11 [ 95%CI 1.01~1.22] および1.01 [1.0~1.03])。

 ✅ 試験開始時に湿疹が軽快していたもしくはβ-ラクトグロブリン特異的IgE抗体価がより高い児は、アナフィラキシーを発症する可能性が低かった(それぞれ、0.13 [ 95%CI 0.04~0.46]、0.96 [ 95%CI 0.94~0.99 ])。

 

経口免疫療法におけるアナフィラキシーは特異的IgE抗体価が高いと起こりやすい。一方、皮膚を軽快させると起こりにくくなるかもしれない。

■ 経口免疫療法を開始する時に特異的IgE抗体価が高いとアナフィラキシーを起こしやすいことに関しては、すでに先行研究があります。

■ 一方で、この研究で重要なのは、「湿疹を軽快してから免疫療法を開始するとアナフィラキシーリスクが大きく下がる」ことではないかと思います。

■ すなわち、皮膚の安定と免疫療法はやはり両輪であるといえるでしょう。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 牛乳経口免疫療法において、特異的IgE抗体価が高いとアナフィラキシーを起こしやすく、皮膚が安定しているとアナフィラキシーを起こしにくい。

 

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