「日焼けどめと虫よけの同時使用」に関する質問が増える時期です。
■ 私は小児科医ですので皮膚科専門医ほど日焼け止めに詳しくはありませんが、この時期は「日焼け止め」と「虫よけ」に関して質問を受ける機会が増えますので、少しずつ知識のUPDATEを心がけています。
■ 今回は、虫除けとして世界的によく使用される「DEET(ディート)」と日焼け止め成分(オキシベンゾン)を同時に使用した場合に経皮的な吸収率が変化するかを検討した報告をご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
豚に対し、A: 昆虫忌避スプレー(ディート); B: 昆虫忌避ローション(ディート); C: 日焼け止めローション(オキシベンゾン); DとE: 昆虫忌避剤(ディート)/日焼け止めローション(オキシベンゾン)の混合剤を塗布し、経皮吸収率の変化を検討したところ、
✅ 日焼け止めC(オキシベンゾン)と同時に使用すると、昆虫忌避スプレー(ディート)Aと昆虫忌避ローション(ディート)Bによるディートの透過性はそれぞれ1640%/282%増加した。
✅ 日焼け止めローションCのみによるオキシベンゾンの透過性よりも、昆虫忌避スプレー(ディート)Aと昆虫忌避ローション(ディート)Bとともに使用すると、オキシベンゾンの透過性が189%/280%増加した。
✅ オキシベンゾンの透過性は、昆虫忌避スプレー(ディート)Aの上に日焼け止めローションCを塗布した場合よりも日焼け止めローションCの上に昆虫忌避スプレー(ディート)Aを塗布した場合の方が196%高かった。
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