以下、論文紹介と解説です。
ヨクイニンエキス散研究班. 伝染性軟属腫に対する「ヨクイニンエキス散」の臨床効果 placeboを対照とした多施設二重盲検法による比較試験. 皮膚 1987; 29:762-73.
2歳以上15歳以下の軟属腫患児をヨクイニン群162人、プラセボ群169人にランダム化し、4週、8週、12週の結節数を比較した。
背景・方法
■ ヨクイニンエキス散の伝染性軟属腫に対する有用性を検討するため, placeboを対照とし, 二重盲検群間比較試験を実施した。
■ 試験期間は12週で, 体重30kg未満は6g/1日, 体重30kg以上は12g/1日を連日経口投与した。
試験フローチャート。
結果
■ 有用度および試験開始後4週時の結節残存率において本剤はPlaceboに比し優れる傾向であった。
軟属腫の結節残存率。
■ 層別解析の結果では, 男児で有意に優れ, さらにアトピー性皮膚炎合併群では優れる傾向が見られた。
■ 副作用はヨクイニンエキス散で2例, Placeboで1例を認めたがいずれも軽微であった。
結論
■ 以上より, ヨクイニンエキス散は伝染性軟属腫に対し安全かつ有用な薬剤であると結論した。
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これを有意と取るべきかどうか、、、?
■ 確かに4週目には少し差が出ているようですが結局は差がなくなっていることもあり、これでヨクイニンが有効と結論するのは尚早な印象があります。
■ 追加をすることも一つの方法かもしれませんが、限界はあると認識しておいたほうが良さそうです。
今日のまとめ!
✅小児の軟属腫(水いぼ)に対し、ヨクイニンの併用は一法かもしれないが、有用性は高くないことを認識しておいたほうが良さそうだ。