以下、論文紹介と解説です。
Rodriguez J, Maibach HI. Percutaneous penetration and pharmacodynamics: Wash-in and wash-off of sunscreen and insect repellent. Journal of Dermatological Treatment 2016; 27:11-8.
昆虫忌避剤やサンスクリーン剤に関し、併用による皮膚や全身毒性のリスクは?
■ 皮膚がんや蚊が媒介する病気に対する意識の高まりにより、昆虫忌避剤やサンスクリーン剤の使用が増加している。
■ 使用したり、塗り重ねたりするための推奨事項を設定する際の課題は、特に同時使用の場合に、水、汗、体温、摩滅のような自然および物理的要因に耐えるのに有効な耐久性の製品を適用すること、経皮吸収を制限し、潜在的な皮膚や全身毒性のリスクを低下させることとのバランスを見出すことにある。
■ 非有機的なサンスクリーン剤は、様々なレベルの皮膚への浸透や皮膚への有害作用を示す有機的なサンスクリーン剤と比較して、経皮吸収や毒性を全く、もしくはほとんど示さない。
■ 昆虫忌避剤中の従来のゴールドスタンダードな標準化合物であるN,N‐ジエチル‐m‐トルアミド(DEET; ディート)の代替物としてイカリジンは有効であり、毒性リスクが低くサンスクリーン剤と同時に使用すると両化合物の経皮吸収を低下させる可能性がある。
■ 逆に、DEETとサンスクリーン剤の併用は両化合物を有意に吸収を高くする。
■ 様々な化合物の「ウォッシュイン」に対する消費者の認識を高めることは、毒性のリスクを高めるだけでなく、水、汗、摩滅による「ウォッシュオフ」による再塗布の必要性の違いにもつながり、重要である。
■ 有効性を最大化し、毒性を低下させるためには、研究すべきことが多く残されている。
■ しかし、皮膚における薬物動態を含む最新の研究手段は、これらの将来の進歩に役立つはずである。
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ディートが危険という意味ではなくカバーする虫の種類も多いが、日焼け止めと同時に使用する場合はイカリジンも考慮すると良さそう。
■ イカリジンはまだ使用できるようになってから日が浅いのですが、小児にも使用しやすい虫除けといえます。
■ ディートが危険という意味ではありませんが、日焼け止めと同時に使用する場合にはイカリジンのほうが安全性が高めと言えるかもしれません。
今日のまとめ!
✅ ディートが危険という意味ではないが、日焼け止めと同時に使用する場合はイカリジンも考慮したほうが良さそうだ。