アトピー性皮膚炎における除去食は、どのように考えたらよいか?

アトピー性皮膚炎において、除去食の位置づけをどう考えるか?

■ アトピー性皮膚炎があると、確かに食物アレルギーの発症リスクは高くなります。

■ 『適切な除去食』は正しい方法ですが、アトピー性皮膚炎だから食物除去とそのまま繋ぐのは時期尚早といえます。

■ 病歴や負荷試験などが必要で、少なくとも、それまで摂取できていた食べ物を除去するとかえって食べられなくなる可能性があります。それどころか、免疫寛容がくずれ、不幸な転帰をたどった例すら報告されています。

■ 今回は、最近発表された、アトピー性皮膚炎と除去食に関して論じた総論です。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー、除去食の取り扱いに関するレビューにおいて、以下のようにまとめられた。

 ✅ 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者の約40%は食物アレルギーがある。

 ✅ その中のごく一部が食物を原因としたアトピー性皮膚炎があり、他の多くは即時型アレルギーであり、両方の問題を考慮しなければならない。

 ✅ 最近の予防や治療に対する研究はアレルゲンの摂取を推奨しており、ほとんどの場合、アトピー性皮膚炎のリスクの増加と関連していなかった。

 ✅ 食物除去は、栄養的な問題と即時型反応の発症をもたらす可能性がある。

 ✅ 皮膚治療は、第一選択のアプローチとして推奨されるべきであり、難治例では食物摂取による誘因を考慮する。

 ✅ 食物除去の対象となっている場合には、除去は短期間にとどめ、除去により改善する可能性があると考えられた場合には経口食物負荷試験を実施すべきである。

 

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