以下、論文紹介と解説です。
Boyano-Martínez T, et al. Accidental allergic reactions in children allergic to cow's milk proteins. Journal of Allergy and Clinical Immunology 2009; 123:883-8.
牛乳にアレルギーのある児 88人に関し、1年間の誤食とその際の重症度を調査した。
背景
■ 牛乳は、小児における食物アレルギーの主な原因である。
■ そして食物アレルギー患者は、偶発的な曝露を頻繁に経験する。
■ しかしこの問題を分析する研究は少なく、そのほとんどはピーナッツアレルギーに関するものである。
目的
■ 過去12か月間に牛乳にアレルギーのある子どもの偶発的な曝露による反応の頻度を割り出し、反応に関連した臨床的特徴や状況を分析し重症の反応に対する危険因子を特定する。
方法
■ 牛乳にアレルギーのある88人(男児44人、月齢中央値 32.5ヶ月)が含まれた。
■ 偶発的曝露に関する体系化されたアンケートが使用された。
■ 反応は、軽症、中等症、重症に分類された。
■ 牛乳・カゼイン特異的IgE抗体価が測定された。
結果
■ 35人(40%)は、過去12ヶ月に53件の反応を呈していた(軽症53%、中等症32%、重症15%)。
■ 反応の多くは、日常生活のもと(85%)の自宅(47%)で発生した。
■ 牛乳特異的IgE抗体価は、中等症(中央値 7.71kUA / L; P = .04)または軽症(中央値 3.37 kUA / L; P = .04)の反応よりも重症である子ども(中央値 37.70 kUA / L) の方が高かった。
■ 重症の頻度は、喘息があると10倍高かった(オッズ比10.2; 95%CI 1.13-91.54)。
結論
■ 牛乳アレルギーの小児における偶発的な曝露に対する反応は頻度が高く、重症の反応の割合は15%だった。
■ そのような反応の危険因子として、牛乳・カゼインに対する特異的IgE抗体価が高値、喘息の併存が含まれた。
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乳の誤食、そして重篤な症状は稀ではない。誤食を完全にふせぐことは容易ではなく、誤食時の対応策を考えることも重要と思われる。

■ 特異的IgE抗体価が高くなると、自然に寛解する可能性が低くなり、免疫療法の際のリスクもあがり、さらには免疫療法の有効性が合った場合も中断すると再燃リスクが上がります。
■ そして、今回の報告のように、誤食の際のリスクもあがることになります。
■ もちろん、誤食をしょっちゅう起こすことを避けられるような努力も必要ですが、紛れ込みによる誤食を完全に避けることは難しいように思います。
■ 家庭での誤食の際、保護者さんがつらい思いをされていることも多いです。
■ ですので、普段の誤食がいままで少ない場合には『どうしても起こりうること。大変でしたね…』とお話することにしています。
■ 医療者側としては、誤食は起こりうると考えて対応策をお話することと、気管支喘息のコントロールを一段階あげること、皮膚の治療を丁寧にしておくことも重要ではないかと考えています。
今日のまとめ!
✅ 乳アレルギー児の4割は1年間に1回以上の誤食による症状を経験しており、特異的IgE抗体価高値・気管支喘息は重篤な症状をおこす可能性が高くなる。












