食物アレルギーにおける舌下免疫療法の報告。
■ 食物に対する免疫療法は潜在的にリスクがあるため、その効果とリスクのバランスが取れる投与ルートが求められます。
■ 経口、経皮、舌下、リンパ節などのルートが想定され、研究が進行中です。
■ 経口ルート(これも研究中)以外はまだ一般的ではありませんが、経皮は海外でフェーズIIIまできています。
■ それぞれにメリット・デメリットがあるため、今後使い分けが議論されていく時代になっていくと思われます。
■ そのうち、ピーナッツによる舌下免疫療法の、初期の報告をご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
ピーナッツ粉末 2g(ピーナッツ蛋白質1g相当)の負荷試験を実施したピーナッツアレルギー患者 40人を、舌下免疫療法(SLIT)群、プラセボ群にランダム化し、44週後にピーナッツ粉末5gで負荷試験を実施し、5gを摂取可能、もしくは試験開始時の負荷試験の閾値より少なくとも10倍多いピーナッツ粉末の摂取に成功した率を比較したところ、
✅ ピーナッツSLIT群 20人中14人(70%)がレスポンダーであったのに対し、プラセボ群 20人中3人(15%)がレスポンダーだった(P<.001)。
✅ ピーナッツSLITレスポンダーでは、負荷試験で摂取できた量の中央値は3.5mgから496mgに増加した。
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