経口免疫療法後、脱感作が誘導されても、運動すると症状が誘発されてしまう場合があります。
■ 経口免疫療法は、『少しずつ食べ続けて、食べられる量を押し上げていく』食物アレルギーの治療法のひとつです。
■ 現在のところ標準療法ではなく、一般的にすすめられる方法ではなく研究中といえます。
■ 問題点はさまざま残されていますが、そのひとつに『食べられるようになったように見えても、運動すると症状が誘発される』場合があるということです。
■ この点に関する報告は、決して多くはありませんが、小麦に関する症例シリーズ研究が報告されていましたのでご紹介いたします。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
小麦アレルギーのために『急速』経口免疫療法を実施され小麦製品の全量摂取(小麦蛋白 5g)を達成した21人に対し、運動負荷試験で陽性であった例と陰性であった例のその後2年間の経過を確認したところ、
✅ 14人(66.7%)は運動負荷で症状ありと診断され、急速経口免疫療法の実施5年後も、11人(52.4%)は症状が残存した。
✅ 運動負荷後の症状の有無で臨床的背景に差はなかったが、運動負荷で症状がある患者は、経口免疫療法を行う前のグリアジン・グルテニンコンポーネントに対する特異的IgE抗体価が有意に高かった。
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