以下、論文紹介と解説です。
Almqvist C, et al. Worsening of asthma in children allergic to cats, after indirect exposure to cat at school. American journal of respiratory and critical care medicine 2001; 163:694-8.
自宅でネコを飼っていない6~12歳の小児410人に関し、各クラスのネコを飼っている家庭の率と喘息症状の関連を検討した。
背景
■ 学校でのネコアレルゲンへの曝露は、ネコアレルギーのある喘息小児において症状を悪化させる可能性がある。
方法
■ 喘息の治療を受けており(吸入ステロイド薬とβ刺激薬)、ネコアレルギーがあり、自宅でネコを飼っていない6~12歳の小児410人を特定した。
■ ピークフロー(Peak expiratory flow; PEF)、喘息症状、薬物、発熱および/または咽頭痛、毛のあるペットとの接触を、夏休みの最後の週と学校の第二/第三週に毎日2回記録した。
■ さらに、各クラスのネコを飼っている数を記録した。
結果
■ 喘息児92人は、毛のあるペットとの接触がないと報告した。
■ これらの中で、クラスにネコを飼っている家庭が18%以上(中央値)いた子どもは、PEFが有意に減少し、喘息症状のある日数が増加し、学校開始後の薬物使用が増えることを報告した。
■ ネコを飼ってる子どもが18%以下のクラスでは変化がなかった。
■ ネコの飼い主が多いクラスの子どもは、ネコの飼い主が少ないクラスの子どもと比較して、年齢、性別、発熱、および/または咽頭炎で調整後、学校開始後に喘息が悪化するリスクが9倍高かった。
結論
■ したがって、ネコアレルギーの子どもにおける喘息症状、PEF、喘息薬の使用は、学校での間接的なネコ曝露の影響を受ける可能性がある。
■ ネコにアレルギーがあり、家でネコに曝露されている喘息患者は、家でネコに曝露されていない喘息患者よりも気管支過敏症の徴候を示し、より多くの喘息症状を示す。
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ネコのふけは拡散しやすく、悪化要因のひとつになっているといえるかもしれない。
■ このような報告があるからと行って、家庭ごとに飼う制限などできるわけはありません。
■ ただ、このような意外な悪化要因もあるといえ、悩ましいな…と思います。
今日のまとめ!
✅ ネコを飼っていなくても、ネコを飼っている子どもが多いクラスでは、喘息発作が起こりやすくなるかもしれない。