鼻汁吸引は普段の風邪の治療として推奨されているものの、エビデンスは極めて少ない。
■ 子どもの風邪に対する治療はきわめて限られたものしかなく、大きな武器の一つとして『鼻汁吸引』が勧められています。
■ 例えば、こういう器械ですね。
■ しかし、鼻汁吸引に対する有効性を示したエビデンスはきわめて少ないのが現状です。
■ そして最近、このテーマでランダム化比較試験が行われていましたのでご紹介します。
※ この研究結果は、大久保先生の著書にも言及されていました(独自にたどり着いたので引用ご容赦…😌)。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
繰り返す喘鳴のある児(生後3~72ヶ月)91人に対し、自動鼻吸引器を使用したネブライザー使用群(介入群)と、鼻吸引を使用しないネブライザー使用群(対照群)に関する風邪の経過を比較したところ、
✅ 上気道症状(25.0% vs 46.4%、p=0.004)や下気道症状(21.8% vs 32.8%; p=0.022)が報告された日数、気管支拡張薬(サルブタモール)吸入が報告された日数(12.2% vs 16.9%; p<0.001)は、介入群で少なくなった。
✅ 上気道症状のエピソードは、介入群では対照群よりも短くなった(4.3日 [95%CI:3.8-4.9] vs 5.7日 [95%CI:5.0-6.4] ; p=0.007)。
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