早期離乳食開始による食物アレルギーの予防効果は、湿疹がある群にもっとも強くはたらく

乳児期の湿疹が、その後の食物アレルギーの発症リスクになることがはっきりし、一方で離乳食早期開始が食物アレルギーの発症予防に有効であることがわかってきています。

■ EATスタディは、『早期離乳食開始』により食物アレルギーの発症予防を試みた、初期の研究です(と言っても2016年ですが…)。

■ 離乳食を生後3ヶ月から開始群と生後6ヶ月より開始群にわけるという、かなりアグレッシブな印象をもつ試験ですが、結果としては『生後3ヶ月から始めることが難しく、有意差がはっきりつかなかった』という結果でした。

■ しかし、EATスタディは1300人以上が参加した研究になり、以降も二次解析で研究結果を出し続けています。

■ そして、湿疹があるとその後の食物アレルギーを6倍以上発症しやすくなることがメタアナリシスの結果から報告され、『湿疹そのものが食物アレルギーのリスクになる』ことははっきりしてきています。

■ そのようなデータがはっきりし、湿疹を発症した乳児をEATスタディから抽出し、サブ解析が行われました。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

EATスタディに参加した乳児に対し、非白人乳児・登録時に湿疹がある乳児・登録時に食物に対する感作がある(特異的IgE≧0.1 kU/L)乳児の3グループに関し、早期離乳食開始群(生後3ヶ月から開始)、標準的離乳食開始群(6ヶ月から開始)に対する離乳食早期開始の食物アレルギーの予防効果を比較したところ、

 ✅ 試験開始時に1種類以上の食物に感作があった乳児は、早期導入群の方が標準導入群よりも食物アレルギーの発症が有意に少なく(標準導入群 34.2%; 早期導入群 19.2%; P = 0.03)、登録時に卵に感作があった乳児は、早期導入群の方が卵アレルギーの発症が少なかった(標準導入群 48.6%; 早期導入群 20.0%; P = 0.01)。

 ✅ 試験開始時に湿疹の重症度(SCORAD)が中等症(15~<40)であった乳児では、早期導入群は食物アレルギーの発症が有意に少なく(標準導入群  46.7%; 早期導入群 22.6%; P = 0.048)、卵アレルギーの発症も少なかった(標準導入群  43.3%; 早期導入群 16.1%; P = 0.02)。

 

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