中国製ワクチンの現状は?
■ 最近、中国製の新型コロナワクチンの有効性が50%と低いのではないかと報道されました。
■ どの国でという考え方に縛られる必要性はないのですが、中国製ワクチンに関しては日本語での情報が少ないようです。
■ そこで、最近の中国製ワクチンの情報に関し、4月9日にBMJに簡単な特集がありましたので共有します。
■ 現在、中国からでているワクチンは5種類であり、3番目までは不活化ワクチン、4番目がウイルスベクターワクチンであること(現在日本で使用されはじめたファイザー社のワクチンはmRNAを利用したワクチン)、そして現在のところ第3フェーズの臨床試験データがまだ公開されていないことに留意する必要があると考えています。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
中国で開発されているワクチンは約1ダースあり、そのうち5つが緊急承認されているが、その臨床試験データ、価格、中国以外での使用状況などを確認したところ、
✅ 3番目のワクチン「コロナバック(CoronaVac)」は北京の製薬会社シノバックが開発した不活型ワクチンであり、4番目のCanSinoBIO社のワクチンは1回投与でアデノウイルスベクターワクチン、5番目のAnhui Zhifei Longcom社のワクチンは、新型コロナウイルスの受容体結合ドメインを基にしたタンパク質を使用している。
✅ 現在のところ、いずれの中国のワクチン候補についても、第3フェーズ試験データが査読付きジャーナルに掲載されていない。
✅ コロナバック(CoronaVac)に関し、2020年12月トルコにおいて7371人を対象とした試験の1322人のサブグループを対象予防効果が91.25%だったとする中間データを報告し、2021年1月ブラジルより、医療従事者12,000人のを対象とした第3フェーズ試験で新型コロナ軽症患者に対する予防効果は78%であると発表し、より軽症症例に対する追加データからは予防効果が50.4%にとどまることが示された。
✅ シノファーム社とシノバック社は、1回接種ごとに約30ドル(22ポンド、26ユーロ)を政府に請求する予定であると報じられている。
✅ ブラジルで最近行われた世論調査では、中国製のワクチンを接種してもよいと答えた人は47%だった。
✅ シノファーム社の最初のワクチンは最も多くの国で緊急使用承認を受けており、その数は30国近くにのぼる。
✅ コロナバックは、ブラジル、チリ、インドネシア、ラオス、メキシコ、トルコなどで緊急使用が認められており、CanSinoBIOワクチンにはメキシコとパキスタンは緊急使用の承認をし、Anhui Zhifei Longcomワクチンは、ウズベキスタンでの使用が承認されている。
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