以下、論文紹介と解説です。

Pouessel G, et al. Food-induced anaphylaxis in infancy compared to preschool age: A retrospective analysis. Clinical & Experimental Allergy 2020; 50:74-81.

2002年から2018年までの仏国における、乳幼児を中心とした未就学児の食物アナフィラキシー症例に関する原因アレルゲンや症状を検討した。

目的

■ 乳児期の食物アナフィラキシーに関しては、十分判明していない。

■ 本研究では、乳幼児(生後12ヶ月以下)における食物アナフィラキシーの特異性を、未就学児(1~6歳)と比較して明らかにすることを目的とした。

 

方法

■ 2002年から2018年までに記録した、乳幼児を中心とした未就学児の食物アナフィラキシー全症例を対象に、Allergy Vigilance Networkによりレトロスペクティブ研究が実施された。

 

結果

■ 1951例の食物アナフィラキシー反応のうち,乳児61例(3%)、未就学児386例(20%)であった。

■ アナフィラキシー反応を起こした乳児は2人であり、乳児59人(男性51%; 平均年齢6ヵ月[SD 2.9])のデータを解析したところ、アトピー性皮膚炎の既往歴が31%、食物アレルギーの既往歴が11%だった。

主な食物アレルゲンは、乳児においては牛乳(59%)、鶏卵(20%)、小麦(7%)、ピーナッツ(3%)であったのに対し、未就学児ではピーナッツ(27%)、カシューナッツ(23%)だった

■ (乳児の)アナフィラキシーは、61人中28人(46%)であり、授乳中止後の最初の牛乳摂取時に発生した。

■ 臨床症状は主に粘膜皮膚症状(79%)、消化管症状(49%)、呼吸器(48%)、心血管症状(21%)だった。

■ 乳児の25%がアドレナリンを投与されていた。

■ じんましん、低血圧、神経症状は、未就学児よりも乳児で報告される可能性が高かった(それぞれP = 0.02;P = 0.004;P = 0.002)。

■ 抗ヒスタミン薬およびステロイドは、乳児よりも就学前の小児で処方されることが多かった(それぞれP = 0.005;P = 0.025)。

 

結論

■ この研究では、乳児用粉ミルクの使用率が高い環境で、初めて食物アレルギーを発症した乳児において、最も多いトリガーは牛乳であることが明らかになった。

■ 就学前の年長児と比較し、乳児ではじんましん、低血圧、低酸素症が報告される可能性が高かった。

■ この知見は、乳児の臨床的アナフィラキシー基準の開発することをさらに支持する、明確な食物アナフィラキシーフェノタイプを示すと考えられる。

 

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フランスからの研究結果で、乳児期のアナフィラキシーの半数を乳が占めるという結果となったが、発症予防に関してはさらに議論をすすめていくべきであろう。

■ 乳児期のアナフィラキシーは乳によるものが半数を占めるという結果です。

 

■ 乳アレルギーに関しては、さらに注目されつつあります。

■ たとえば、英国における食物によるアナフィラキシーは増加しており、強いアナフィラキシーの要因として乳が増えていることが報告されています。

 

■ 予防の道筋に関して、SPADE試験が報告されましたが、もちろん母乳栄養に関して否定するものではありません。

■ しかし一方で、母乳栄養中止後に乳アレルギー症状を発症する例がおおく、しかもアナフィラキシーが少なくないことは知っておくべき点と思います。

■ 個人的には、発症した際には低アレルゲンミルクをはやめに導入したほうがよいと考えていますが、このテーマに関しても、さらに研究が必要な分野でもあると思っています。

今日のまとめ!

 ✅ 仏国における乳児期のアナフィラキシーの半数は乳によるものという報告があった。

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