
いよいよ、乳の早期摂取開始による乳アレルギー予防介入研究であるSPADE試験が、日本から発表されました。
■ 食物アレルギーは増えてきており、発症予防が求められています。
■ 特に日本では、卵・乳・小麦で乳児の食物アレルギーの9割を占め、これらに関しては特に注目を集めています。
■ そして考えられているのが『早期摂取開始』になります。
■ 食物アレルギーの発症予防に関し、まずピーナッツの発症予防可能であることが2015年に英国からLEAP試験として報告されました。これは、生後5~10ヶ月に開始をするという研究デザインでした。
■ その後、卵に関してはさまざまな研究が行われ、日本から発表されたPETIT研究がその有効性を報告しました。予防を達成するには『いくつかの条件』が求められることがわかりましたが、生後6ヶ月開始の研究デザインでした。
■ 一方、乳に関しては、生後6ヶ月前後がもっとも発症リスクが高い月齢と考えられており、むしろ生後2週~1ヶ月くらいから開始すると良いのではないかという観察研究が報告されていました。
■ そして今回、日本から、ランダム化比較試験で乳アレルギーの発症予防研究の研究結果が発表され、生後1ヶ月からの粉ミルク摂取開始が有効であることが示されました。
■ 今後、乳アレルギー発症予防の金字塔になるであろう『Strategy for Prevention of Milk Allergy by Daily Ingestion of Infant Formula in Early Infancy (SPADE)試験』として報告された結果を、ご紹介いたします。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
一般新生児504人を生後1ヶ月から生後3ヶ月まで普通粉ミルク摂取群と回避群にランダム化し、生後6ヶ月の乳アレルギーの発症率を比較したところ、
✅ 生後6ヶ月に乳アレルギーを発症したのは、摂取群242人のうち2人(0.8%)、回避群249人のうち17人(6.8%)だった(リスク比 0.12; 95%CI 0.01~0.50; P<0.001)。
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