食物経口負荷試験中に、口腔内症状があった場合に負荷試験を継続するか否か?
■ 食物経口負荷試験において、少量の負荷で口腔内症状(口腔内の違和感やかゆみなど)が出現することはよくあります。
■ しかし、その後負荷量を増やしていっても、それ以上の症状を来さないことも多く、その場合は負荷試験陰性(もしくは判定不能)の結果になります。
■ 一方で、負荷試験陽性を予測する因子として紹介されることもあり、負荷試験を継続するかどうかを質問されることもあります。
■ そこで、主観的な口腔内の症状があった場合に、どれくらい負荷試験の陽性率が高くなるのか、そしてそのまま続けた場合のリスクは高くなるのかを検討した報告を共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
食物経口負荷試験652回(計323人)(牛乳71人、卵22人、ピーナッツ48人、ゴマ24人、ナッツ487人)において、主観的な口腔内症状があったケースの負荷試験の陽性率や重篤な症状を予測する率を検討したところ、
✅ 口腔内の主観的な症状は、実施した全食物経口負荷試験のうち237例(36.3%)で認められた。
✅ 口腔内の自覚症状があった場合の負荷試験陽性率は、自覚症状がなかった場合よりも有意に高かった(それぞれ69.6% vs 30.4%; P < 0.001)が、負荷試験の陽性時の反応は、主観的な口腔症状があってもなくても重症度は同じ程度だった。
✅ 主観的な口腔症状は、食物経口負荷試験の結果を予測する上での感度56.7、特異度80.4、PPV69.6、NPV69.0だった。
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