新型コロナワクチンの交差接種は有効か?:Com-COV試験

交差接種(初回接種/ブースト接種を異種で行うワクチン接種)は有効か?

ワクチン交差接種を検討 河野行革相「加速化期待」という報道を見かけましたが、『交差接種』をどうするかに関し、今後議論が活発化しそうです。

■ 『交差接種』という用語が正式な名称なのか私はよくわかりませんが、『Heterologous prime–boost vaccination (初回接種/ブースト接種を異種で行うワクチン接種)』と名付けている論文が多いようです。

■ 『Heterologous prime–boost vaccination (初回接種/ブースト接種を異種で行うワクチン接種)』は、もともとはアストラゼネカワクチンの不足に対する苦肉の策で他社のワクチン接種が行われたことに端を発していると私は理解しています。

■ つまり、アストラゼネカ社ワクチン後に、追加接種できなかったためにmRNAワクチンを追加するケースがあり、検討する必要性が出てきたところ、むしろ免疫原性がよかったという流れです。

 

■ そして、最近のLancetに、
1)アストラゼネカ→ファイザーワクチンの順
2)アストラゼネカ→アストラゼネカの順
3)ファイザー→ファイザーの順
4)ファイザー→アストラゼネカの順
とを比較したランダム化比較が報告されていましたので共有します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

アストラゼネカ(ChAd)→ChAd、ChAd→ファイザー(BNT)、BNT→BNT、BNT→ChAdの接種を28日もしくは84日の接種間隔群に登録し、そのうち研究が終了した28日群463人の免疫原性・安全性を比較したところ、

 ✅ 2回目(ブースト)接種28日後に、ChAd/BNT接種群の新型コロナ抗スパイク蛋白IgG抗体の幾何平均濃度(12 906 ELU/mL)は、ChAd/ChAd接種群(1392 ELU/mL)に比べて劣らず(非劣性)であり、抗体価の幾何平均比は9.2(片側97.5%CI 7.5~∞)だった。

 ✅ BNTで初回接種した被験者では、異種ワクチンスケジュール(BNT→ChAd 7133 ELU/mL)は同種ワクチンスケジュール(BNT/BNT 14 080 ELU/mL)に対し非劣性は示されず、抗体価の幾何平均比は0.51(片側97.5% CI 0.43~∞)だった。

 

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