1歳以降で判明したピーナッツアレルギーに対する免疫療法は有効か?
■ 1歳未満でピーナッツを離乳食に導入するとピーナッツアレルギーの発症を予防できる可能性があることがLEAP試験であきらかになったあと、さまざまな試みが行われています。
■ 一方で、1歳以降までもちこしたすでに発症した食物アレルギーに対しては、『経口免疫療法』などでの検討が行われています。
■ 最近、1歳から3歳の子どものピーナッツアレルギーに対し、ピーナッツ経口免疫療法がどれくらい効果があるかに関する検討が行われ、Lancetに公開されましたので共有します。
※経口免疫療法は標準療法ではなく、専門医の指導下で行う必要性があります。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
500 mg以下のピーナッツ蛋白質の負荷試験で陽性であった生後12ヶ月から48ヶ月未満の小児に対し、ピーナッツ経口免疫療法を134週間おこなったところ、
✅ ピーナッツ経口免疫療法開始後134週目で、96人のうち68人(71%; 95%CI 61-80)が摂取可能となっており、一方でプラセボ群では50人のうち1人(2%; 0.05-11)のみしか摂取可能とならなかった。
✅ しかし、134週から160週まで中断してから再度負荷試験を行うと、摂取が維持できていたのはピーナッツ経口免疫療法群96人中20人(21%; 95%CI 13-30)、プラセボ群50人名中1人(2%; 0-05-11)だった。
✅ ピーナッツ経口免疫療法群で摂取可能となる因子として、年齢が低く、試験開始時ピーナッツ特異的IgE抗体価が低いことが挙げられた。