食物アレルギーの免疫療法はさまざまなルートが考えられており、そのうち安全性が高いと考えられているのが『経皮ルート』です。
■ 食物アレルギーが増えているなか、経皮免疫療法が注目されています。
■ そして、経皮免疫療法に関し、最近NEJMにEPITOPE(エピトープ)試験が公開されました。
Greenhawt M, Sindher SB, Wang J, O’Sullivan M, du Toit G, Kim EH, et al. Phase 3 Trial of Epicutaneous Immunotherapy in Toddlers with Peanut Allergy. New England Journal of Medicine 2023; 388:1755-66.
1~3歳でピーナッツアレルギー(ピーナッツ蛋白質による誘発量300mg以下)確認の児362人を対象にViaSkinパッチ(ピーナッツ250μg)を12ヶ月間使用した有効性と安全性を評価した。
背景
■ 4歳以下に対するピーナッツアレルギー治療は未承認で、幼児へのピーナッツパッチによる経皮免疫療法の効果と安全性は不明である。
方法
■ 1~3歳でピーナッツアレルギー確認の児を対象に、第3フェーズ二重盲検無作為化試験を行った。
■ ピーナッツ蛋白質による誘発量300mg以下の患者を2:1にピーナッツパッチ治療群とプラセボ群に割り付け、12ヶ月間投与した。
■ 主評価項目は12ヶ月後の治療反応、安全性は有害事象の発生状況で評価した。
結果
■ ランダム化された362人中84.8%が試験を完了した。
■ 主評価項目は、治療群で67.0%、プラセボ群で33.5%(リスク差33.4%ポイント; 95%CI 22.4~44.5; P<0.001)。
■ 有害事象は治療群100%、プラセボ群99.2%で発生した。
■ 重篤な有害事象は治療群8.6%、プラセボ群2.5%、アナフィラキシーはそれぞれ7.8%、3.4%で発生した。
■ 重篤な治療関連有害事象は治療群0.4%、プラセボ群0%、治療に関連したアナフィラキシーは治療群1.6%、プラセボ群0%だった。
結論
■ ピーナッツアレルギーの1~3歳児に対する皮下免疫療法は、12ヶ月後のピーナッツ誘発閾値上昇においてプラセボより優れていた。
(資金提供:DBVテクノロジーズ。試験番号:NCT03211247)(DBVテクノロジーズの資金提供。EPITOPE ClinicalTrials.gov番号、NCT03211247)
管理人の感想は、noteメンバーシップでまとめました。
基本的に医療者向けで、申し訳ありませんが、質問には基本的にお答えしておりません。
所属するいかなる団体の立場も代表するものではありませんし、すべての方に向いているという情報でもありません。予めご了承いただきたく存じます。
しかし、文章やアイデアを盗用・剽窃・不適切な引用したり、許可なくメディア(動画を含む)に寄稿することはご遠慮ください。
クローズドな場での勉強会などに使用していただくことは構いません。