食物負荷試験は、『オープン法?』『ブラインド?』
■ 食物経口負荷試験には、オープン法とブラインド法があります。
■ オープン法よりブラインド法のほうが正確な結果が得られると考えられていますが、その2つを比較した研究は少ないという問題点がありました。
■ そしてその認識にちょっとした一石を投じる研究が、Allergy誌に報告されました。
Jessen FB, Mortz CG, Eller E, Gudichsen JH, Baekdal EA, Bindslev-Jensen C. A comparison of double-blind, placebo-controlled food challenge and open food challenge. Allergy; n/a.
ピーナッツアレルギーのある小児と成人の重症度と閾値に関し、オープン食物負荷試験318件とダブルブラインドプラセボ対照食物負荷試験86件から比較した。
背景
■ 二重盲検プラセボ対照食物負荷試験(DBPCFC)は、食物アレルギーの診断におけるゴールドスタンダードとされているが、オープン食物負荷試験(OpenFC)との比較研究は少ない。
■ このレトロスペクティブ研究の目的は、オープンおよび二重盲検プラセボ対照プロトコールで負荷を行ったピーナッツアレルギーの小児および成人の症状の重症度と閾値(臨床反応を誘発する食物アレルゲンの累積用量)を比較することである。
方法
■ 本研究は、2001年から2022年に、オーデンセ大学病院アレルギーセンターでピーナッツによる経口食物負荷試験(厳密な客観的徴候に基づく)が陽性であった患者を対象とした。
■ 症状の重症度はSampson重症度スコアを用いて評価された。閾値の分布モデルは対数正規区間生存分析を用いて算出され、プラセボに対する反応の数も評価された。
結果
■ 計318例のOpenFCの陽性例と86例のDBPCFCの陽性例が対象となった。
■ 2種類の負荷試験タイプを比較した場合、症状の重症度や閾値に有意な差は認められなかった。
■ 年齢層による層別化を行っても、その結果は変わらなかった。
■ ただし、二重盲検群の小児ではGrade3の症状を経験した割合が高かった。
■ プラセボチャレンジで陽性反応を示した患者は1例のみだった。
結論
■ この知見は、訓練を受けたスタッフによる厳格な客観的中止基準を用いてDBPCFCを実施した場合、DBPCFCがOpenFCよりも優れているとは言えないと示した。
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