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Sheehan WJ, et al. Association Between Allergen Exposure in Inner-City Schools and Asthma Morbidity Among Students. JAMA Pediatr 2017; 171:31-8.

 学校の環境は喘息症状に関連するか?

■ アトピー性皮膚炎の予防と治療の新しい概念(全6回)の途中ですが、少し息抜きに(?)喘息の論文をご紹介します。

■ 以前、ゴキブリの駆除が喘息症状を改善させるというランダム化比較試験をご紹介いたしました。

殺鼠剤入りのエサを使ってゴキブリを駆除すると喘息が改善する (NO-Roachスタディ)

■ 今回は、学校の環境と喘息症状の関連に関してです。

 

 4~13歳の喘息患児284人の、教室と家庭の埃のサンプル中の一般的な屋内エアロアレルゲンについて分析し、喘息症状を1年間評価。

重要性

■ 家庭のエアロアレルゲン曝露は小児における喘息罹患率増加と関連するが、学校エアロアレルゲン曝露の関連に関してはほとんど知られていない。

 

目的

■ 喘息の罹患率に及ぼす学校のエアロアレルゲン曝露の影響を家庭の曝露と調整して検討する。

 

デザイン、セッティング、参加者

■ School Inner-City Asthma Study は、2008年3月1日と2013年8月31日の間に米国北東部の都心部にある37の小学校から登録された、4~13歳の喘息患児284人を評価した前向きコホート研究である。

■ 登録された児は、学校が始まる前に試験開始時の臨床評価を受け、1年間臨床的に観察された。

■ その同じ学年度の間に、教室と家庭の埃のサンプルを収集し、一般的な屋内エアロアレルゲンについて分析した。

■ 学校におけるエアロアレルゲン曝露と喘息のアウトカムの関連は、家庭の暴露に合わせて評価された。

 

曝露

ラット、マウス、ゴキブリ、ネコ、イヌ、ダニを含む室内エアロアレルゲンは、学校から集められた埃サンプルで測定された

 

プライマリアウトカムと検査

■ プライマリアウトカムは、過去2週間の喘息症状の最大日数だった。

■ セカンダリアウトカムは、喘息における医療機関の使用と肺機能(1秒量)を含む喘息の病的な状態を測定するための確立されているマーカーを含んだ。

 

結果

■ 284人の学生(年齢中央値8歳[iqr6-9歳]; 男児148人、女児136人)は、学校の埃443検体中441検体(99.5%)でマウス・アレルゲンに対して曝露されており、、ネコ・アレルゲン420検体(94.8%)、イヌ・アレルゲン366検体(82.6%)が検出された。

学校におけるマウスアレルゲンレベルは、家庭よりも有意に高かった(埃内の中央値0.90 vs 0.14μg/ g; P  <.001)

学校におけるマウスアレルゲンのより高いレベルへの曝露(75パーセンタイルと25パーセンタイルの比較)は、喘息症状の日数(オッズ比1.27; 95%CI、1.05-1.54; P  = .02)および予測1秒量が4.0%低下した(95%CI、-6.6〜-1.5; P  = .002)

論文から引用。マウスアレルゲン量と喘息症状。

 

論文から引用。マウスアレルゲン量と1秒量。

■ この効果は、アレルギー感作は関係していなかった。他の室内エアロアレルゲンは、喘息のアウトカムを悪化させなかった。

 

結論と妥当性

■ 喘息を持つ都心の学生に対する今回の研究で、学校におけるマウスアレルゲンへの曝露は、喘息の症状の増加と肺機能の低下と関連していた。

■ これらの結果は、学校環境が小児喘息の罹患率にとって重要な要因であることを示している。学校における環境への介入は、公衆衛生上の問題に有益な場合がある。

 

結局、何がわかった?

 ✅学校におけるマウスアレルゲン量が上位25%と下位25%を比較すると、喘息症状の日数が1.27倍、呼吸機能が4.0%低下した。

 

 

 環境と喘息の関連は、必ずしも一定ではない。

■ 今回の研究は、マウスに汚染された環境では喘息症状が多いというものでした。

■ しかし、上に挙げたゴキブリに対する環境整備と比較して、マウスに対する環境整備は十分な効果はあげられなかったという結果もあります。

ネズミの徹底した駆除と駆除教育は、喘息を改善するか?

■ さらに、環境整備指導も、喘息治療薬の減量に効果がなかったというランダム化比較試験もあります。

気管支喘息に対する環境整備は、治療薬を減少させるか?: ランダム化比較試験

■ しかし、これらは米国での研究であり、環境中の汚染量も、汚染しているアレルゲンも、本邦とは明らかな差があります。本邦ではマウスやゴキブリの汚染は少なく、ダニの汚染が多いことがわかっています。

■ 国によって汚染しているアレルゲンに差があるということは、効果的な環境整備にも差があると言えましょう。現実的に、環境整備指導により喘息症状が明らかに改善することはよく経験されることでもあります。個人的には環境整備はかかせない指導と考えていますが、よほど頑張っていただかないと効果が上がらないことは確かなようです。

 

 

今日のまとめ!

 ✅学校におけるマウスアレルゲン量は喘息症状に関連する。

 

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