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 喘息のフェノタイプ分類には色々あります。

■ 喘息にかぎらず、病気が一つのタイプではなく様々なタイプの集合体であることは多いです。

■ 例えば、アトピー性皮膚炎も幾つかのフェノタイプに分けて検討した報告があります。

■ 喘息の予後を考える上で、どのような因子があるかを考えるのはとても重要でしょう。その因子を検討した報告をまた一つご紹介いたします。

 

Ruggieri S, et al. Sensitization to dust mite defines different phenotypes of asthma: a multicenter study. Pediatric Allergy and Immunology 2017. [Epub ahead of print]

 10-14歳の喘息患児132人に関し、どのような因子でタイプをわけられるか?

背景

■ 屋内アレルゲンは喘息の危険因子である。したがって、こどもの環境と健康の関係を研究するために室内空気の質における特性評価は重要である。

■ 特に、Dermatophagoides pteronyssinus(ダニ)は喘息の主要なアレルゲンである。

■ そこで、呼吸器症状および機能、気道炎症、アレルゲン感作および室内アレルゲン濃度の関係を横断的に調査した。

 

方法

■ 地中海南部に居住する10-14歳の喘息患児132人の保護者に対するアンケートで評価された。

■ Der p 1アレルゲンの含有量に関するハウスダストサンプルの評価と併せて、スパイロメトリー、呼気中一酸化窒素(FeNO)、皮膚プリックテスト、総および特異的血清IgE検査を実施した

過去12ヶ月間の喘鳴の有無(Wh12m)およびDer p1特異的IgE抗体価に基づき3つのクラスターが作成された。

 

結果

クラスター1(Wh12m + /Der p1特異的IgE高値)は、FeNO高値と肺機能低値(FEV1低値およびFEF 25%〜75%)であり、ラスター2(Wh12m + /Der p1特異的IgE低値)と有意な症状スコアの差は認めなかった

■ クラスター3(Wh12m- /Der p1特異的IgE低値)は、最もFeNO低値かつ肺機能低値を示した。

クラスター1では、Der p1特異的IgEおよびFeNOの両方は、ハウスダスト中のDer p1と正の相関があった。

 

結論

■ アトピー状態の違いにもかかわらず、同様の喘息のフェノタイプである可能性がある。

■ アトピー小児では、室内環境で感作性アレルゲンが気道炎症を増加させ、肺機能を悪化させる可能性がある。

■ さらに、環境曝露はアトピー感作がない場合でも喘息症状の発症に寄与し、喘息の過剰診断に寄与する可能性がある。

結局、何がわかった?

 ✅ダニ感作の有無と過去12ヶ月以内の喘息発作のスコアには有意差はなく、室内環境におけるアレルゲンの量は喘息発作に関与する。

 ✅一方、ダニに感作されている場合、室内のハウスダスト中のダニ抗原が多いほど、ダニ特異的IgE高値であり、気道炎症を反映する呼気一酸化窒素が高値だった。

 

 

 環境要因と喘息発作。一貫した結果を示すことは難しいようだ。

■ 以前、喘息に関し、7~8歳の動物感作が、その後喘息が持続する要因になるという報告をご紹介しました。

■ 難しいのは、環境整備が必ずしも喘息増悪を防がないという臨床研究の結果もあることです。

■ 一方で、ゴキブリに対する対策は喘息発作を改善させるという臨床研究の結果もあります。

■ おそらく、その環境状態に応じ、環境整備の方法も変わるといえるのではないでしょうか。

 

今日のまとめ!

 ✅環境抗原に対する感作は、喘息を長引かせたり症状を悪化させる要因になるが、感作の有無にかかわらず、環境中のダニ抗原は喘息を悪化させる原因にもあるようだ。

 

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