乳児期早期に発症したアトピー性皮膚炎は、季節性アレルギーのリスクになる

Wan J, et al. Variations in risk of asthma and seasonal allergies between early- and late-onset pediatric atopic dermatitis: A cohort study. J Am Acad Dermatol 2017.[Epub ahead of print]

 アトピー性皮膚炎が、他のアレルギー疾患の発症リスクになることは、複数の研究結果が発表されています。

■ ざっくり読んだ論文がたまってきていたのですが、今日は昼食をとる暇もないくらい日中忙しかったうえに、夜外勤が入っていて、更新がいつものタイミングより遅れました。

■ さて、アトピー性皮膚炎がその後のアレルギー疾患のリスクになることは、いくつかの報告をご紹介してきました。

■ このような研究結果は最近増えていますが、やはり今回も早期発症のアトピー性皮膚炎が、その後のアレルギー疾患の要因になるかもしれないという研究結果です。

 

 コホート研究に参加した3966人に関し、アトピー性皮膚炎の発症年齢と季節性アレルギーの発症率を確認した。

背景

■ アトピー性皮膚炎は他のアレルギー性疾患と関連しているが、この「アトピーマーチ」のバリエーションは十分に判明していない。

 

目的

■ 喘息と季節性アレルギーのリスクに対するアトピー性皮膚炎発症年齢の影響を確認する。

 

方法

■ 小児期発症のアトピー性皮膚炎の被験者における観察コホート研究であるPediatric Eczema Elective Registryを使用して実施された。

 

結果

■ 計3966人がこの研究に参加し、そのうち73%は2歳前にアトピー性皮膚炎を発症していた。

■ 試験開始時に、3~7歳または8~17歳のアトピー性皮膚炎発症者は、2歳前に発症した児より有意に季節性アレルギーと喘息の発症率が低かった。

■ 2歳以下の発症群と比較し、季節性アレルギーにおける補正相対危険度は、3~7歳の発症群で0.82(95%信頼区間、0.72-0.91)、8~17歳発症群で0.64(95%CI信頼区間、0.47-0.83)だった。

■ 喘息における調整リスクは、高年齢での発症群と最も早期の発症群には有意差を認めなかった。

 

制約

■ 誤認識バイアスが、自己申告の発症年齢データを使用することから生じるかもしれない。

 

結論

■ アトピー皮膚炎発症のタイミングは、アトピーマーチのバリエーションの一部を説明するかもしれない。

■ この結果は、患者の将来のリスクの層別化を改善する可能性がある。

 

結局、何がわかった?

 ✅季節性アレルギーの発症リスクは、2歳未満にアトピー性皮膚炎を発症した児のリスクを1とすると、3~7歳でのアトピー性皮膚炎発症群で0.82、8~17歳でのアトピー性皮膚炎発症群で0.64と低くなった。

 

 

 早期発症のアトピー性皮膚炎は季節性アレルギーの発症リスクが高い。

■ 上に挙げた通り、早期発症のアトピー性皮膚炎は、その後の食物アレルギーや喘息の発症リスクをあげます。

■ 多くの研究が同じクリニカルクエスチョンの確認をしているといえましょう。

■ ここまで揃えば、乳児期早期のアトピー性皮膚炎を、「早くしっかりと」治療したくなりませんか?

 

 

 

今日のまとめ!

 ✅早期発症アトピー性皮膚炎は、過去の報告の喘息や食物アレルギー発症リスクをあげるのと同様、季節性アレルギーの発症リスクも増加させる。