Schultz ES, et al. Early life exposure to traffic-related air pollution and lung function in adolescence assessed with impulse oscillometry. J Allergy Clin Immunol 2016; 138:930-2.e5.
大気汚染とアレルギー。
■ 久しぶりにPECOでまとめてみました。
■ 大気汚染は呼吸機能を低下させるという報告があります。
交通機関による大気汚染は、アレルギーや呼吸機能低下に関連する: コホート研究
■ また、小児喘息の発症にも関連します。
■ さらに、妊娠中にPM2.5に曝露されても子どもの喘息発症リスクが高くなる可能性も指摘されています。
妊娠中にPM2.5にさらされると、子どもの喘息発症リスクが高くなるかもしれない
■ 今回は、オシオメトリー(IOS)を使用して末梢気道を評価し、乳児期の大気汚染物質への曝露が、その後の抹消気道閉塞に影響するかを検討した報告です。
E: 1歳までの交通関連汚染物質曝露
C: -
O: 乳児期の交通関連大気汚染に対する曝露が思春期の末梢気道閉塞に関連したIOS指数と関連するか
結局、何を知りたい?
✅乳児期に大気汚染物質にさらされると、16歳時点での末梢気道機能に影響するかを知ろうとしている。
1歳までの大気汚染曝露と16歳時点の末梢軌道閉塞の関係に関し、2415人のコホート試験から検討した。
■ 背景因子、呼吸器の健康状態、曝露因子に関する情報は、16歳まで繰り返し行われた質問票から得た。
■ 個々の住宅地および学校における屋外の大気汚染のレベルは、排出量記録、道路交通、気象条件、地形に関するデータを組み合わせた数学モデルを使用して計算された。
■ 16歳時の末梢気道機能は、インパルスオシオメトリー(IOS)により評価された。
■ 1歳までの交通関連NOxに対する曝露が10μg/m3増加するごとに、R5-R20が2.0Pa・L-1・s(95%CI 0.3-3.6; P = .02)有意に増加し、AX0.5が0.17(Pa・L-1)0.5(95%CI、0.01-0.34; P = .04)増加した。
■ PM10における結果は、NOxと一致していたが、統計的には有意でなかった。
論文から引用。図1。
交通関連汚染物質染に対する1歳までの曝露と、16歳でのR5-R20またはAX 0.5の推定95%tileを上回る値と関連性に対するオッズ比。
結局、何がわかった?
✅1歳までのNOx曝露は、16歳時点での末梢気道の閉塞に関与した。
1歳までの大気汚染物質は、その後の呼吸機能に影響するのかもしれない。
■ 著者らは、大気汚染曝露と肺機能の関連を調査した研究のほとんどは、末梢気道閉塞ではなく、全気道抵抗と中枢気道機能を主に反映する方法であるスパイロメトリーに焦点を当てていたと述べており、本研究の重要性を強調していました。
■ 交通関連の大気汚染物質のサイズは微小なエアゾール粒子であり、末梢気管に沈着し影響することは、動物試験で示されていたそうです。
■ 今回の結果は、喘息患者において、乳幼児期の交通関連大気汚染物質に対する曝露が思春期の末梢気道指標と関連していることを示唆する、とまとめられていました。
今日のまとめ!
✅乳幼児期の大気汚染物質曝露は、思春期の末梢気道指標と関連している。