卵アレルギー予防には、ゆで卵による導入と湿疹治療の同時介入を要する

Matsumoto K, et al. Are both early egg introduction and eczema treatment necessary for primary prevention of egg allergy? Journal of Allergy and Clinical Immunology 2018; 141:1997-2001. e3.

離乳食早期導入による、食物アレルギー予防。

■ PETIT研究は、卵アレルギーを予防することができた、最初の介入研究と言えましょう。

加熱卵を少量で早期開始すると、1歳時の卵アレルギーを予防できる(PETITスタディ): ランダム化比較試験

■ しかし、卵を早期に開始さえすればよいという訳ではなく、その介入方法には条件があるのではないかと予想されています。

■ そのことを述べたレビューが、JACIに松本健治先生から発表されましたので抄録を簡単に翻訳してご紹介いたします。

 

卵早期開始による卵アレルギー予防は、条件があるようだ。

■ Learning Early About Peanut Allergy (LEAP)研究は、ピーナッツ早期開始がピーナッツアレルギーの発症を有意に予防することを証明した。

■ しかし、卵アレルギー予防に対する同様の試みについては、Prevention of Egg Allergy in High-risk Infants with Eczema (PETIT) が、統計的に有意な効果を示す唯一のランダム化介入試験である。

■ これらの研究のメタアナリシスは、卵の総量も、前もっての介入も、生後12か月の卵アレルギー発症に影響しないことを示した。

■ しかし、生卵粉末は、最初の導入時にアレルギー反応の発生率が有意に高くなったものの、ゆで卵の使用はずっと安全だった。

卵導入時のアトピー性皮膚炎/湿疹の有病率は、初期導入時のアレルギー反応の発生率と有意に相関した。

■ さらに、後期導入群における卵アレルギーの有病率は、アトピー性皮膚炎をステロイド外用薬でプロアクティブに治療された場合でさえ、卵開始時のアトピー性皮膚炎の有病率と有意に相関していた。

■ 各研究の研究数と参加者数が、最適な導入量、生もしくは加熱、開始時期、介入するべき児について、確固たる結論を導くには不十分であることは間違いない。

■ より強力なデータと結論を生み出すためには、実施すべき様々な研究を推奨する。

■ しかし、最近の成果を踏まえるなら、卵アレルギーの一次予防には、ゆで卵の早期卵導入と湿疹治療の同時介入が不可欠であると主張する。

 

結局、何がわかった?

 ✅卵アレルギーの一次予防(発症予防)には、ゆで卵の早期卵導入と湿疹治療の同時介入が不可欠である。

 

 

卵アレルギー発症予防には条件を満たす必要性があるようです。

■ LEAP研究は、乳児期早期にピーナッツを食べ始めることではじめてピーナッツアレルギーが予防できることをランダム化比較試験で示した研究です。

ピーナッツを早期に摂取開始したほうがピーナッツアレルギーが減少する(LEAPスタディ)

■ ただし、ピーナッツ早期介入で予防できるのはピーナッツのみであることもわかってきており、個別の食物毎に対策を練らなければならないことも明らかになっています。

ピーナッツ早期摂取開始は、ピーナッツアレルギー以外の予防には影響しない

■ たとえば、卵に関してはPETIT研究により予防可能であることが示されました。

■ しかし、早期導入にはリスクもあることが、先行したSTAR研究などで明らかになっています。

卵の早期開始は予防に効果がある可能性があるが、危険性も伴う(STARスタディ)

■ そこで、「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が発表されました。

「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」の発表について

■ そこでも、「湿疹治療の必要性」「ゆで卵の微量開始」が強調されています。

 

今日のまとめ!

 ✅卵アレルギーの発症予防には、「湿疹治療」「ゆで卵の微量開始」が強調されており、条件があると考えられている。

 

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