おむつかぶれ予防は、ベビーパウダーか?亜鉛華軟膏か?

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)予防に、ベビーパウダーが良いか?亜鉛華軟膏が良いか?

■ この論文にはタルカムパウダーという用語になっていますが、日本ではベビーパウダーという言葉のほうがしっくりくるようです。

■ おむつ皮膚炎の発症予防に対し、ベビーパウダーと亜鉛華軟膏の有効性を比較した検討。こういう研究は少なく、たまたま見つけたのでご紹介します。

■ また、ここでは「亜鉛華軟膏」としましたが、酸化亜鉛は亜鉛華軟膏に含有され、「酸化亜鉛含有クリーム」とあったので、この表記にしています。

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛を20%、亜鉛華単軟膏は10%含有します。

2021年6月3日管理人注
初期の文章では、『亜鉛華軟膏は酸化亜鉛を20%、亜鉛華単軟膏は10%含有します。』という記載をしていました。以下のサイトなどではこのような記載となっており、私の理解は亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏を酸化亜鉛の濃度と理解していました。
そして、サトウザルベを亜鉛華軟膏と記載していましたが、当院の薬剤師さんからのご指摘で、サトウザルベは亜鉛華”単”軟膏製剤なのでは(10%と20%とあり)とご指摘をうけました。
亜鉛華軟膏と亜鉛華“単”軟膏 は、基剤の違いなのだそうです。
修正いたします。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

生後6〜12ヶ月の乳児50人をタルカムパウダーと酸化亜鉛クリーム外用にランダム化し、おむつ皮膚炎発症までの期間を比較したところ、

 ✅ タルカムパウダー群からのおむつ皮膚炎の発生率は1,000人/ 日あたり4人(95%信頼区間 95%CI 2-7)だったが、酸化亜鉛クリーム群からのおむつ皮膚炎の発生率は1,000人/日あたり2人(95%CI 1〜5)であり、酸化亜鉛クリーム群のほうが優れていた。

 ✅ 第8週目のおむつ皮膚炎のリスクは、タルカム群が酸化亜鉛群よりも5.3倍大きかった(ハザード比[HR] 5.3; 95%信頼区間[CI] 1.4-20.0; p = 0.01)。

 

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