喘息がある場合、水泳が推奨されていることは多いが、、
■ プールと喘息に関して、先日Yahoo!個人で記事を書きました。
小児期の屋内プールの消毒薬にさらされることと喘息の関係をみた5851人に対する7研究のメタアナリシスが報告されました。
すると、スイミングへの参加と喘息の有病率に有意差はないという結果でした(※7)。
スイミングと喘息は全体で眺めると関係はなさそうということですね。
(※7)Valeriani F, et al. Pediatrics international 2017; 59:614-21.
このメタアナリシスでは、プールの塩素濃度が気管支喘息への影響に差をもたらしている可能性があるものの、塩素濃度を全ての研究で測定されていないということが研究の限界だったとされています。
■ そこでは、「塩素」に関しての検討が不十分と考えましたが、最近、塩素がやはりあまり気道炎症によろしくないのではないかという報告がありました。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
塩素で消毒した室内プールに参加している小児計146人(8~18歳)に対し、スイミング前後にスパイロメトリーと呼気一酸化窒素(FeNO)測定を実施したところ、
✅ 全てのスポーツにより、健常小児と喘息小児の運動後のFeNO値は約1/3に低下した。
✅ ただし、水泳後のFeNO値は、喘息のない水泳選手と比較して喘息の水泳選手では有意に高いままだった。
※呼気一酸化窒素(FeNO)は、気道の炎症の程度を反映します。
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